42.『妖精の友』結成!!
「パーティ名がいると思うの」
「……はあ」
「なるほどー」
マーシャさん曰く、固定メンバーのパーティなのだからパーティ名はあって当然らしい。
まあ確かにこれまでは「十歳の子たち」とか「ちっこいの」とかテキトーな呼び方をされてきたが、不便を感じなかった。
しかし十七歳のマーシャさんが加入することで、これまでのような呼び方は通じなくなる。
……いやだからなんだよって話だけども。
まあとはいえ、隣のディアーネは乗り気なのでひとまず話を聞いてみる。
「例えばどんなのがいいとかあります?」
「うーん。難しいけど、せっかく女の子が三人いることだし、華やかさが欲しいよね」
なるほど。
女性だけのパーティというのもなくはないが、確かに思い浮かぶのはどこか女性らしさというか華やかさのあるパーティ名だ。
隣のディアーネはふんすと鼻息荒く「強そうなのがいいです!!」と言った。
「『旋風』とか『戦神の斧』とか、銀ランクパーティの皆さんは強そうな名前でした!」
「まあ、確かに……」
マーシャさんが加入しても討伐依頼を中心にこなしていくつもりだから、強そうというのは大事かもしれない。
強そうで華やかさもある、か。
難しいな。
「レイシアは何かないの?」
「レイシアも何かアイディアを出そうよ!」
「え、私? うーんそうだなあ」
正直、割りとダサくなければどうでもいい。
しかしマーシャさんとディアーネの本気の目に水を差すのも悪いので、何か案を出さなければいけない気がした。
「ええとそうだな……他にない感じがあるといいよね」
「唯一無二ってことね。確かにそれは重要かも」
「ふむー。個性ってこと?」
良し、なんとかアイディアを出せた。
しかしパーティ名っていざ決めようとすると難しいものなんだな。
お菓子をつまみ、お茶を飲みながら、あーでもない、こーでもないと色々な案が出てくる。
「やっぱりここはリーダーのレイシアにちなんだ名前がいいと思うの」
「なるほどー。それもありですね!」
「……ちょっと待って。いつから私がリーダーに?」
ディアーネとふたりならいざ知らず、年長者のマーシャさんが加入したのだからそこは私じゃなくても……。
「え? でもディアーネとふたりのときはレイシアがリードしているように見えたけど」
「そうだよ、レイシアがパーティのリーダーだよ。レイシア、なんか色々なこと知ってて頭いいんですよ、マーシャさん」
「うんうん、しっかりしているよね。私は後から加入したし、もともとリーダーって柄でもないし。――あ、妖精に魔法を授かったのをパーティ名に取り入れたら分かりやすいかも!?」
「いいですねー。レイシア、なんかある?」
ええ、リーダーは私で決定か。
まあいいか、パーティの方針を決めるのに、私の意見が一番に反映されるというのも悪い話じゃない。
そして妖精関連のパーティ名か……。
「うーん……例えば、『妖精の友』とか」
「あ、それいい!!」
「おお、いい感じかも!!」
おや好感触。
安直だと思うけど、個性もあるし華もある。
強いて言えば強さは感じられないくらいだが。
結局、それ以上に良い案は出なかったので、俺たちのパーティ名は『妖精の友』となった。




