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トゥエルブ ~TS転生した世界は俺がやり込んだゲームにそっくり!12のスキルでシナジーとコンボを駆使する~  作者: イ尹口欠
冒険者少女ふたり旅

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39/73

39.作戦開始

 隣街に到着すると、辺境伯一行は領主の館に直行した。

 領都と隣街の間は丸一日程度だが、さすがに治安もいいし騎士や冒険者がこれみよがしに武装しているので、近づいてくる不届き者はいなかった。


 報酬はいいので文句はないが、働きがいはないな、と思っていたが、翌日とんでもないことを聞かされた。


「え、マーシャさんが冒険者登録する!?」


「そう。私が中抜きされた依頼を受けて、実際に証拠を押さえるの。辺境伯の娘を危険な目に合わせて、無事でいられるかって話」


「いや、辺境伯が権力を振るえば一発なのでは……」


「冒険者ギルドってね。あれで領主の権力に強いの。この国全体に広がる組織だよ? そこの幹部といったら、下手な貴族より権力もってるからね。だから確実に裁く口実が必要なわけ」


 その確実な口実とやらが、マーシャさんを危険な依頼に突っ込ませるってところがもう理解不能なんだけどなあ。

 ああ、でもそれで護衛に冒険者が必要なのか。

 さすがに騎士を連れて冒険者登録して依頼を受けるわけにはいかない。

 上手く鉄の冒険者が初めての討伐依頼を受けるという形にしなければならないのだ。



 さてそんなこんなでやって来ました、冒険者ギルド。

 マーシャさんは動きやすい服装にブーツや胸当てなどを装備し、背中に矢筒、腰には短弓を下げていた。

 どうも狩猟が趣味らしく、弓の腕前には自信があるということ。

 多分【斥候】(スカウト)のクラスをもっているのだろう。


 マーシャさんが先にひとりで入って、遅れて『戦神の斧』と俺たちも入る。

 カウンターで冒険者登録するマーシャさんに絡むような輩が出てきそうなときは、俺たちで排除するのが役割だ。


「あれ、ディアーネちゃんとレイシアちゃんじゃないか?」


 いきなり背後から声をかけられてびっくりした。

 そういえばここにはいたな、銀ランク冒険者パーティ『旋風』の三人組。

 顔見知りなので無視するわけにもいかない。

 ディアーネがピョンと立ち上がって挨拶をした。


「あ、『旋風』の人たち!! お久しぶりです!!」


「ああ久しぶり。……って、冒険者ランクが銅ランクになっている?」


「はい。先日、昇格したばっかりです」


「へえ~凄いな。まだ子供なのに銅ランクとは……」


「えへへ」


「この街には仕事で?」


「えーと、はい」


 こそこそとにじり寄るディアーネ。


「ここだけの話、例の話にケリがつきますよ」


「え、ほんと? どういうこと?」


 おいおい、さすがに話しちゃマズイだろ。

 ディアーネの首根っこを引っ掴んで止めた。


「すみません。それ絡みの仕事を受けているんです。話すのは終わってからでいいですか?」


「ん? そうか、守秘義務とかあるだろうからね。分かった、君たちに任せるよ」


「はい、すみません」


 話をしている間に、マーシャさんは冒険者タグを受け取って、依頼掲示板の前に移動していた。

 下調べは済んでいたのか、しばし眺めた後に一枚の依頼票を取って、カウンターで受領の処理をする。

 あの派手めな受付嬢のところだ。


「ではこれで」


「うん? ああ、またね。朗報を待っているよ」


 俺たちは『旋風』の三人に挨拶して、冒険者ギルドを出たマーシャさんを追った。



「レイシア、ディアーネ。さっきのは知り合い?」


「はい。この街の冒険者で、不正を憎く思っている冒険者たちです」


「そっかそっか。それでもこの街で活動してくれているんだね、ありがたいよ」


「そうですね。それでどんな依頼を受けたんです?」


「えーとね、半日ほどの距離にある農村でビッグディアが畑を荒らしているみたい。数は書いてないけど、調査では複数いるって話だね」


「下調べは済んでいるんですね」


「うん。でね、私は見ての通り弓だからみんなには護衛を頼みたいってわけ」


「分かりました」


 俺たちと『戦神の斧』が周囲を守れば、マーシャさんが危険に晒されることはないだろう。

 俺たちは早速、農村に向けて移動を開始した。


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