21.田舎娘ゆえつい
ふたつの街を通過し、領都にいよいよ迫る。
領都に近い街だけあって大きいし活気があった。
「さて路銀だけど、どれだけ残っている?」
「うー……微妙?」
「だよね。ちょっと領都、遠かったね」
「珍しいものがあるとつい、食べたくなっちゃうよね」
そう俺たちはカイウス開拓村から出たことのない田舎娘たちである。
都会に出たら、村にはなかった衣服や食べ物の数々が魅力的で、ついつい散財してしまったのである。
おかげで路銀が乏しい。
領都に着いたら多分、宿が取れないくらいに厳しい状況だった。
「この街にも冒険者ギルドはあるからね。稼ごうか」
「だねえ。仕事があるといいんだけど」
ちなみに野盗の親玉の剣はなかなかの値で売れました。
そのうえで路銀不足にあえいでいるのだから、無駄遣いし過ぎである。
俺たちは冒険者ギルドに入って、依頼掲示板の前に立った。
冒険者たちがたむろしているテーブルからひとりの冒険者が俺たちの様子を伺いに来た。
まだ十歳程度の少女がふたり。
しかし俺たちが鉄の冒険者タグをつけているのを確認して、冒険者たちは興味を失ったようだ。
――なんだろう?
わざわざ俺たちのランクを確認して、スルーした。
何かあるのだろうけど、分からない。
興味を失ってくれたならこちらもスルーするか。
「ねえレイシア、討伐依頼でいいよね?」
「そうだね、魔物討伐なら慣れているし。ああでもあんまり難易度が高いと断られるんだっけね」
「そんな難しいの選ばないよ」
適正な依頼は、と。
あった、ファングボア討伐の依頼だ。
違約金も設定されていないし、これならば問題ないだろう。
掲示板から依頼票を剥がして、カウンターにもっていく。
派手目な化粧をしたお姉さんがカウンター業務をしていた。
「あら可愛い冒険者さんたちね。依頼? どれ見せてごらん」
「はい」
「ファングボア、ねえ。討伐の経験はどのくらいある?」
「ファングボアなら狩ったことは何度もあります」
「ふうん。なら問題ない、か」
お姉さんに依頼票を処理してもらって、受注する。
「討伐したら、これに依頼主からサインをもらってね」
「はい」
手をひらひらと振って「頑張ってね」とお姉さんは言った。
さあ、路銀稼ぎだ。




