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義妹が可愛すぎて同棲生活が大変です  作者: 桜井正宗
God does not play dice. 同棲生活 - 3

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激ウマ! 濃厚トロトロのGOGOカレー

 俺は天笠さんの提案を受け入れようとした――のだが。



「姉さん、お断りします」


「「え……!?」」



 今度は俺と天笠さんの驚きの声が被る。

 まさか菜枝が断るだなんて……!

 これは意外すぎた。



「菜枝、せっかく天笠さんがデズニーに誘ってくれているのに……いいのか?」



 そう聞くと、菜枝はこう耳打ちしてきた。



「わたし、兄さんと二人きりなら行きたいです。でも、姉さんがいるのなら話は別です。VIPだろうと、顔パスであろうとも関係ありません。二人きりがいいんです」



 ここまで強く言われてはな。

 それに、そうだな。


 俺は大切なことを忘れるところだった。


 二人きり――それがまずは大前提だ。誘ってくれた天笠さんには悪いけど。



「天笠さん、悪い」

「……やっぱりね」

「なんだ、分かっていたのか」


「大体予想はついていた。でもね、私も負けていられないの。ねえ、神堂くん、今度でいいからさ、私と一緒にデズニー行こうよ。

 ――ああ、大丈夫。返答は今すぐじゃなくていいからさ。じゃ、私は行くね。困ったことがあったら、いつでも連絡して」



 ラインのIDを教えられ、俺は記憶に留めた。まさか、こんな形で天笠さんの連絡先を知ることになろうとは。


 いや、それよりも……。



「菜枝、その、なんだ……天笠さんのことなんだが」

「別に姉さんのことが嫌いとかではないんです。ただ、今回はわたしと兄さんだけの旅行ですから……だから」


「もちろんだ。デズニーは、また別の日にしよう。引き換えればいいわけだからな」

「はい。その日を楽しみにしていますね」



 ゆびきりして約束をした。

 次回こそはデズニーへ行く。絶対にだ。



 次に『フロア445』へ向かった。

 そこから『フロア450』の展望回廊へ上がれるようだ。更に見晴らしがよくなるようだな。


 350でも十分に高いのに、まだ上があるとはな。


 エレベーターで上がっていくと『フロア445』に出た。順路を歩いていくと、外には街並みがもっと広がった。

 少しずつ歩いていくと、ついに『フロア450』に到着。



「ここが最高到達点の451.2メートルらしい」

「そんなに高い位置なんですね、ここ……。まさに天空ですね」



 こう高いと感覚も狂ってきた。

 まるで空に浮いている気分だ。

 このままどこかへ飛行できるのではないかと、変な錯覚に陥る。


「とんでもないところへ来てしまったなぁ」

「夜景も綺麗そうですよね」

「あ~、夜も来てみたいよな」



 夜は夜で凄そうだ。

 また機会があれば夜景を見に来たいものだ。


 のんびり三十分ほど見て回り――満足したところで、地上へ下りた。



 * * *



「大迫力だったなあ、菜枝」

「とても見ごたえがありました。次回はぜひ夜景で」

「二回目決定だな。夜で」

「決まりですね!」



 どのみち、デズニーチケットを入手したら立ち寄るだろうしな。その時が来たら、夜に来よう。菜枝を二人きりで。


 なんだかんだ時間は経ってお昼になった。

 東京なら、どこまで行きたい放題だ。


 どこで何を食べようかな。



「なにか食べたいものある?」

「う~ん……選択肢が多いと迷っちゃいますね」

「そうだなー。なんでもあるだろうし」

「あ! そうだ、兄さん。GOGOカレーはどうですか!?」



 ぐいっと顔を近づけられ、俺はビックリした。――って、GOGOカレー?



「聞いたことないな」

「ウチの地域には店舗がないですもんね。馴染がないのは当然です」

「初耳だよ。そんなカレー屋があるのは」



 俺の住む場所では『ゴゴイチ』というカレー店があるからなぁ。ああ、それでGOGOカレーの店舗がないのかもしれない。競合店だから、なにかしらの事情があるだろうな。



「どうでしょうか、GOGOカレー」

「うん、いいよ。俺は親父にゴゴイチはよく連れられて言ったけど、GOGOカレーは初めてだし、気になるな」


「良かった。では食べに行きましょう」

「おう」



 菜枝の提案により『秋葉原1号店』へ行くことにした。どうやら、秋葉原もついでに見たいらしい。俺も気になっていた。メイドさんとかいるのかな。というか、メイドカフェが気になる。


 さっそく電車で移動し、秋葉原駅へ向かった。


 到着して、歩いて直ぐのところにGOGOカレーはあった。



「黄色い看板なのですね」

「……クセになる味ねえ。てか、あのゴリラはなんだ?」

「さあ? お店のマスコットではないでしょうか」



 そんな馬鹿な。

 気になるので後で調べてみよっと。



 入店すると思ったよりは混雑していなかった。


 なるほど、どうやら『券売機』で買うタイプのお店らしい。楽でいい。


 メニューを見てみると、ロースカツカレー、チキンカツカレー、GOGOカレーなど美味そうなカレーばかりがあった。


 サンプル画像を見る限り、ボリューム満点でお腹いっぱい食べられそうだな。



「俺はチキンカツカレーにするかな」

「では、わたしも同じものを」



 あっさり決まったので、券を購入。

 あとは待つだけだ。



「カレー食ったら、どうしようか」

「兄さんの好きなところへ連れていってください」

「俺の好きな場所か~。秋葉原は見て回ってみたかったから丁度いいよ。菜枝もそのつもりだったんだろ?」


「そうなんです。メイドカフェとか猫カフェへ行ってみたくて」

「大体俺と一致しているな。じゃあ、両方行くか。それで夜まで過ごせるはずだし」

「やった! 両方行けるなんて幸せです」



 メイドカフェも猫カフェも千円~三千円で利用できるようだ。なんと良心的! それなら、全然問題ない。


 先に猫カフェへ行って癒されてから、おやつを食べにメイドカフェってところかな。



「決まりだな。――お、カレーがきたぞ」



 話していれば、大きなお皿に盛りつけられたチキンカツカレーが出てきた。こりゃ、思ったよりも量あるな。なんだかお得感がある。


 さっそくスプーンを手に取って、カレーをすくって食べてみた。



 ……うまッ!



 なんて濃厚。

 トロトロで口の中が幸せいっぱいだ。


 チキンカツのソースの塩梅も完璧。カレーと見事に調和しているし、食が進みまくった。菜枝も夢中になって食べている。



 お~、いい食べっぷりだ。



 こんな美味いとは知らなかった。

 GOGOカレーのファンになりそうだ。いや、なった。菜枝のおかげで良い店を知れた。ここは俺のおススメ店ベスト10に入るぞ。

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