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義妹が可愛すぎて同棲生活が大変です  作者: 桜井正宗
God does not play dice. 同棲生活 - 2

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ホラー映画鑑賞②

 ……恐ろしい映画を見てしまった。


 エンドロール後、俺は映画を見て激しく後悔した。なんだこれは。


 とにかく、エグい。エグすぎる。

 殺人ピエロがやりたい放題。人々を惨殺しまくっていた。……多少、お色気シーンもあったけど、それも一瞬。美人の外国人女性は股から真っ二つにされていたし、とんでもない殺され方をしていた。


「…………」


 さすがの菜枝も顔を真っ青にして、中盤以降は俺にしがみついて震えていた。



「すまん。こんなバイオレンスだとは思わなかった」

「こ……これは刺激が強すぎますよぅ……」


 うるうると瞳を潤ませる菜枝。あまりに怖かったのか涙腺崩壊の寸前だった。いや、もう泣いてるな。滝のように涙を流していた。


「血がドバドバしていたな」

「……一応、えっちなシーンはありましたけど、ピエロに殺されちゃいましたね」

「ああ、あれでは興奮も何もなかった」



 特殊な性癖を持っている人には、大興奮だろうが俺にはそんな趣味はない。ただただ、恐ろしかった……。さすが最凶ホラー映画だ。



 映画鑑賞は以上にして、俺は部屋の電気を消した。明日も早い。もう寝よう。



 横になると、菜枝も布団に入ってきた。

 その手は震えていて落ち着きがなかった。……ああ、ホラー映画の影響かな。俺もちょっとビビってる。


 アパートの扉から突然、殺人ピエロが登場するんじゃないかとヒヤヒヤしている。恐怖を感じた時、なぜか周囲が過剰に気になっちゃうんだよな。



「……兄さん」

「菜枝、おいで」



 すっかり映画がトラウマになっている菜枝を抱いて落ち着かせた。……怖い思いをさせてしまったな。



「本当にすまなかった。次は素直にエロ動画にしておく」

「そ、そうですよ。あんな怖いとは思いませんでした。今夜は、兄さんに抱かれないと寝れません」


「分かった。今日は菜枝を抱き枕にする」



 ぎゅっと抱いて密着した。

 菜枝の体は全身が柔らかい。

 肌もスベスベ。


 体温も高いから、天然のコタツみたいで直ぐに寝れちゃうんだよな。



「兄さん、眠いですか」

「……うん」

「いいですよ。わたしを感じながら、眠ってください」

「あったかい。天国だ」

「わたしも兄さんに抱かれて……嬉しすぎて死んじゃいそうです」


 耳元で囁く菜枝の最強癒しボイス(ASMR)

 これでもう十分安眠できる。永眠すらもできるレベルだ。こんなに安らかに眠れるのなら……本望だ。



「…………悪い、寝る」

「…………兄さん――」



 菜枝は何かを言っていた。

 でも、その言葉は俺の耳には届かなかった。もう……夢の中へ。



 * * *



 最近、早く目が覚めてしまう。

 起き上がろうとすると、菜枝に抱きつかれていたことを思い出した。俺のすぐ傍では、小動物のように眠っている菜枝の姿があった。……なんて可愛い。


 登校までまだ時間もあるし、このまま寝顔を観察していよう。



 ――十五分後。



 十分なパワーを貰った。

 俺はゆっくりと菜枝を剥がし、そのまま脱出。

 まずは朝シャワーでサッパリする。その次に歯を磨いたり、髪を整えたり身嗜みを完璧にしていく……菜枝に嫌われない為に。


 あとはゆっくりと朝食を作る。


 トースターを使って食パンを焼く――あとはピザ風味に盛り付けという簡単な調理。


 そうしていれば、パンの匂いに釣られて菜枝が起きてくる。



「おはようございます、兄さん。……良い匂い。今日はピザトーストですか。珍しいですね」

「たまには高カロリーなものも悪くないさ。カフェオレも用意したぞ」

「わぁ、なんだか贅沢です」



 椅子に腰かける菜枝は、寝間着が脱げていた。そのせいか谷間が見えてしまっていたが――本人は気づいていなかった。


 ……このままも悪くない。


 もう少し観察を続けようとしたが、菜枝が首を傾げていた。



「……な、なんでもないよ」

「兄さん、顔が赤いですよ?」

「いや、たいしたことはない。ほら、熱いうちに食べて」


「そうですね。いただきますっ」



 俺もピザトーストをいただく。

 菜枝の谷間を堪能しながら――。



 朝食を終えて俺は玄関前で菜枝を待った。しばらくすると制服に着替えた菜枝が長い髪を揺らして現れた。今日もバッチリ決まっている。


 と、思ったけれど大切な物を忘れている。



「菜枝、桜のヘアピンを忘れてる」

「……あ。そうでした」


 取りに戻る菜枝。

 数秒後には、ばっちり髪留めをつけていた。うん、やっぱり似合う。


 あのヘアピンは、俺が子供の頃に昔にプレゼントしたものだ。つまり、俺と菜枝を繋ぐ唯一の思い出の品。あれをずっと大切に付けていてくれているとは思わなかったけど。



「さあ、行こうか」



 軽い足取りで学校へ向かう。

 今日は金曜日。終わってしまえば、明日からは土日休み。久しぶりに菜枝と遊べるわけだ。


 なにをしようか。

 どんなことをしようか。


 今なら副収入の大金もある。

 もっともっと菜枝を幸せにしてやりたい。


 だから――。

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