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義妹が可愛すぎて同棲生活が大変です  作者: 桜井正宗
God does not play dice. 同棲生活 - 1

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兄さんが好きです

 指が、(てのひら)が、俺の背中を()でていく。

 ボディソープを上手に泡立てる菜枝は、愛情を込めて丹念に洗ってくれた。明らかに昨晩とは指使いが違う。

 昨晩には緊張があったし、ロボットのようなぎこちない動作に近かった。でも今日は、ひとつひとつの動作が丁寧。


「……っ」


 あまり(くすぐ)ったくて、俺は(もだ)えた。


「兄さん、わき腹が弱いのですね」

「大体の人が弱いと思うぞ……」

「このまま兄さんの大切なところへ手を伸ばしても……」


 乱れた息遣いで菜枝は、俺の下半身に侵入しようとした――が、俺は手で(はば)んだ。


「そ、それはダメだ! 危険すぎる。今は背中限定だ」

「……そうですか、残念です」


 本気で残念ながる我が妹。


「それより、この勝負は俺の勝ちか?」

「兄さん、思ったより耐えていましたね。悔しいですが、裸では抱き合えないです」

「それはまだハードルが高すぎる……勘弁してくれ。でも、ビキニは解いていいんだよな」


「……は、はい。では、場所を交代しましょう」


 場所を代わり、今度は菜枝が前へ。

 少し震えながらも背中を向けた。

 さすがの菜枝も正面から水着を解かれるのは恥ずかしい、ということか。


「本当に良いんだな」

「……もちろんです。優しくお願いしますね」

「あ、ああ……」


 男のロマンであるビキニのヒモ。

 だが、まずは上からだ。

 菜枝の胸を包むビキニ。こちらもヒモで固定されている。


「に、兄さん、もしかして上下両方脱がすつもりですか?」

「え……そういうことじゃないのか」

「…………うぅ、両方は恥ずかしいです」


「指定はなかっただろ。上も下も脱がすぞ」


 そうだ、この勝負が俺が勝ったんだから……当然の権利なんだ。

 まずは上のヒモから手に掛けていく。


 引っ張るだけで簡単に脱げてしまった。


 菜枝は耳まで真っ赤にして、両腕で胸を隠した。健気で可愛い。


「綺麗だよ、菜枝」

「あ、ありがとうございます、兄さん。でも、今は絆創膏もないので……本当に恥ずかしいです。鼓動が鳴りっぱなしで死んでしまいそう」


「でも、次は下の方だぞ」


 俺はもう我慢できなくて、ビキニの下の方のヒモに手を伸ばしていた。これを引っ張れば……菜枝は生まれたままの姿になる。


 菜枝だって望んでいることだ。

 俺もこの先を見てみたい。


 ヒモを摘まんで、ゆっくりと引っ張る。

 しゅるしゅると解かれていくビキニ。菜枝は少し屈むようにして耐えていた。そんな姿が可愛くて愛おしかった。


 なんだこれ……すげぇ興奮する。



「……兄さん、やっぱりダメッ」



 恥ずかしがって、くるっとこちらに向く菜枝は飛びついてきた。



「うわッ! な、菜枝……抱きつくなよ」

「だ、だって……裸になってしまったんですよ」



 俺の手にはビキニが握られていた。……そうか、俺は本当に菜枝を全裸にしてしまったようだ。


 こう抱きつかれていては肝心な部分が見えない。でも感触は理解できた。全てが柔らかい……手も足も、胸もお腹も、腿も足も……なにもかもが。


「このままでいいのか」

「はい……このままがいいです。やっぱり、わたしまだ……処女だから……いろいろ分からないことが多いんです。さっきはビックリしちゃって」


「そういうことか。――って、さりげなく処女を告白するな……その方がビックリしたわ」


 とは言え当然か。さすがに高校一年生で経験がある方がショックすぎるというか、複雑すぎる。


「彼氏いなかったんだ」

「そんなのいないです。わたしはずっと兄さん一筋です」

「そ、そっか。嬉しいなそれ」

「兄妹としても、異性としても兄さんが好きです」


「……俺もだよ、菜枝」


 結局、ほぼ裸で抱き合う形にもなった。

 妹がこんなに可愛い存在だったなんて……知らなかった。この生活を続けたい。ずっと。

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