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第14話 私が女子高に②

「まあ、学校へ通うかは君の意思次第だ。就職を希望するなら、君の能力に適した職業を斡旋するよ」


「他の学校とかは駄目ですか?」


「生憎、君のような異世界人を支援してくれる学校はここぐらいなんだ。他の学校へ編入するにしても入学金、授業料、教材費、制服代、部活動費用等は自己負担になる」


 他の学校へ編入する選択はないと考えた奈緒は琉緒の通う学校のパンフレットを用意してくれた。

 高校無償化制度もあるが、私のような異世界人は受給対象外。

 仮に恩恵を受けたとしても、奈緒の説明によると授業料の負担は掛からないが入学金や教材費は自己負担のようだ。

 昨日、元の世界へやって来た私に貯蓄がある筈もなく無一文。

 学校へ通う選択肢は奈緒が提示してくれた聖カトメイル学園しかないのだ。


「たしか、この聖カトメイル学園は有名なお嬢様学校ですよね?」


「その通り」


 琉緒と付き合って間もない頃に制服姿の彼女を見た時、有名なお嬢様学校の聖カトメイル学園の生徒だと知った。

 私には縁がない世界だなと当時は考えていたが、まさかダークエルフの女性として自分が通う未来が訪れるとは予想もしていなかった。


「裕福な家庭のお嬢様が通う学校と記憶しています。私が言うのもアレですが、素性の知れない異世界人を受け入れてくれるのは少し意外です」


「まあ……その辺の事情は色々あるんだよ」


 聖カトメイル学園のようなお嬢様学校は幼稚園、小学生からエスカレーター式に進学していくパターンが多い。

 中学、高校から進学すると学風に馴染めない子もいると話に聞いたことがある。

 門戸が広いのは有り難い話ではあるが、その理由を把握している奈緒は複雑な表情で多くを語らない。


「授業料を含めた諸費用は全部無料だ。アルバイトも学校側に申請すれば許可が下りるから少しずつ貯蓄もできるだろう」


「なるほど……魅力的な話ではありますが、同時に物凄く不安が圧し掛かっています」


「ははっ、通い始めたらそんな不安は吹き飛んでしまうさ。君なら上手く対応できると思うし、私もできる範囲の支援なら惜しまんよ」


 奈緒は豪快に笑いながら私の背中を叩いて後押しする。

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