6話 本当に神様だった。
あぁ~もう絶対に関わっちゃいけない人だよ、この人。変な壺とか買わされるパターンだよ~、これ~。適当に話を終わらせてさっさと帰ろう。
「あぁ~そうですか~、神様なんですね。僕、神様に会えるなんて光栄です~。」
「そうでしょう、そうでしょう!私はとっても偉いんですよ!」
「凄いですね~。あぁ~、もうこんな時間だ。そろそろ帰らないと~。では神様、さようなら~。」
僕は手を振って森から出ようとした。
「いやいやいや、私と話すのを面倒くさがっているのはバレバレですよ。」
「ソンナコトナイデスヨ。」
「分かりやすくカタコトじゃないですか・・・。安心してください。変な、勧誘とかするわけではありませんので。」
「ア、ソウデスカ。」
「カタコト直ってませんよ。」
「あ、失礼。」
ふぅ~、変な勧誘をされないのならとりあえず安心だ。だが、やはり妙だ。こんな時間に女性が一人なのは。しかも巫女姿で。女性がこの時間に一人なのは、まだ理解できるが巫女姿なのはおかしいだろう。
「本当に貴方は何者なんですか・・・。」
「言ったでしょう、神様だと。」
「・・・まぁいいです。では何故、こんな時間にこんなところに神様がいるんですか?」
「それは・・・分からないんです。」
「は?」
「いえ、その・・・記憶がほとんどないんです。」
「・・・それで神様だってことは覚えているんですか?ますます、うさん臭いんですが・・・。」
「いえ、まぁ神様みたいな感じってだけなんですが・・・。」
本当に何なんだこの人・・・。訳わからな過ぎて、心なしかいつもより・・・(点々)が多い気がするし。
「でも、本当に神様的な存在なんです!私は!」
「はぁ、だったら神様の証拠とかあるんですか?」
「えっと、何か今欲しいものとかありますか。」
・・・ふむ、今欲しいものか。う~ん、さっきコンビニで欲しいもの買ってしまったしなぁ。そういえば、長いこと立ち話しているせいか少し肌寒くなってきたな。それを考えるなら、缶コーヒーでも貰うか。
「じゃあ、缶コーヒー1つ貰える?」
「分かりました!」
そう言って彼女は、手のひらをお椀型にして・・・手を光らせた。
⁉また、異能力なのか?
彼女が放つ光は少しずつ何か立体的な物を形作っていった。そしてある程度形作るとその立体的な光は・・・缶コーヒーになった。
「は、はぁぁぁぁぁぁぁ⁈」
「はい、どうぞ缶コーヒーです。」
「あ、どうも・・・ってそうじゃなくて!」
手から光が出てきてそれが缶コーヒーになった⁉ いや状況整理しても理解できん!何だ?何もないところから物を生み出すことが出来るってことか?そんなの本当に神様みたいじゃないか!
「どうですか?これで私が神様だってわかってもらえましたか?」
「え、あ、はい・・・。」
驚きのあまり声がほとんど出なくなってしまった。
「あの、神様的な存在だってことは分かりましたが、記憶がほとんどないというのは一体・・・。」
「はい、さっきもいったように私はほとんど記憶がないんです。一部覚えている部分もありますが。」
「その覚えている記憶はどういったものですかね?」
「えぇっと、私は確か・・・ある人に伝えなければならないことがあるということを覚えています。その人の名前は・・・あぁ、思い出しました。皇 蒼空という人です。」
彼女はそう言って記憶を一部思い出したことに喜んだ。
皇 蒼空・・・う~ん、気のせいか?その名前、僕の名前と似ている気がするな。いや、現実逃避はやめよう。うわぁ~~、絶対これ面倒なことだってぇ~~。
僕は面倒くさいことに関わりそうなことに嘆くのだった。
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