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そこはふわっとした白い霧の中で私の目の前には土下座をする人がいる。その人が
「すみませんでした。お詫びします。」
と言って頭を下げ続けてる。
その隣には白髪で長い髭の生えたお爺さんがいる。
サンタクロースみたい。服が違うけど…あれ、サンタクロースって人だよね。何する人だったかなぁ。
2人共がギリシャ神話で出てくる人みたいな白い布を巻き付けたようなゆったりした服を着ている。
そのお爺さんは私を見て言った。
「この者のミスで貴女は死んでしまった。お詫びとして救済処置としての望みを叶えたい。」
私はなんとこの土下座をしている人のせいで死んだようです。
大事なことなのでもう一度言います。
私は土下座しているこの人のせいで死んだようです。
私には結婚してまだ学生の子供達がいる主婦だったようです。
子供達の将来もこれからどうするか大事な時で家族で悩みを相談し合っていた人生の分岐点と言ってもよい感じの人生の時間軸を生きていた。
そんな私にはここに来ての説明が受け入れられなかったようでショックで鬱のような状態になり自分の殻に閉じこもってどうしようもなくなったそうです。
そしてお爺さんが登場です。私の感情的になる素として記憶を消して落ち着いたところで今改めて話し合いをしたいと言っています。
走馬灯のように映像付きで私の人生のダイジェスト版の説明があり今回の件で私は地球での輪廻転生ができなくなったと言われた。
お爺さんの管理する世界に魂を持っていき生まれ変わってそちらでの人生を経験したらお爺さんの管理する世界でに輪廻転生の輪に入って今後は過ごしていくことになる。
これが私という消滅してしまいそうな魂の救済処置だそうです。
これから住む新しい環境の中でこのままだと対応できなくてすぐに死んでしまうことがないようにという事で過ごし易くなる救済処置をしてくれるそうです。
「救済処置をしよう。貴女の望みを叶えたい。希望を聞こう。」
とお爺さんが話している間も私の足元で土下座している青年は
「すみません」
という言葉をただ繰り返していた。
説明を聞いても私の感情は動かなかった。記憶を消した時に感情の動きも奪われたようです。
哀しいとか人生の節目の映像による説明を受けても人生の良い時を見ても楽しいとか笑うという気持ちが動かない。
私の感情は失ったようなのにただ納得のいかない落ち着かないグルグルとしたわからないものが胸の中にある。
私はミスで死んで記憶も何か具体的に言えない大事な物を無くしたという喪失感が緩く心に留まったているようだ。
ミスからの救済処置をする為に、私がこの救済処置を受ける為に私はここまで奪われる必要があったのだろうか。
否、私の人しての何か大事な物を無くすことはなかった筈だ。
これがミスの救済処置としての対応なのだろうか。
否、時間をかけて話し合うなり他の人?神からアイデアをもらうとか何か他の方法があったのではないか。
否、きっとこれは救済処置をしたという実績を残すだけの方が強い。
ただ、救済処置というのを終わらせたかっただけじゃないか。私は納得がいかない。
全く違う新しい人生のどこまで救済処置をしてくれるのか。
今までの生活水準を下げなくていいように絶対に対応してもらおう。
救済処置してくれるという言質取ったからね。
相手が誰であろうと私という自分自身を守れるのは私だけだから。
剣と魔法の新しい世界に行って今までしていない苦労はできる自信がないのだから…。
「私が助けたの。対価が発生しているの。助ける時に確認したよね。貴方達に、ちゃんと対価を払ってもらいたいの。冒険者でしょう。」
そう言って私は助けた冒険者パーティーにギルドに手紙を届ける依頼を出した。
だけどあの白い霧の中での事を思うとこの人達も
「ミスをしたからすみません。」
で終わるかもしれない。
しっかりと対策をさせていただきますね。
私、舐められたり嵌められたりしたまま泣き寝入りするのが…私自身が許せないから。
新しいお話はじめました。(*´ω`*)
読んでくださりありがとうございます♪
家族でほのぼのやっていきますので、どうぞよろしくお願いします(^^)/~~
他にも書いている作品があるので、そちらもぜひ!(宣伝)
同時進行で主人公ちゃんの子供時代のお話も書いています。