フォン様の執務
ちびっこ魔王様は忙しい
ご機嫌よう。ジャンティーです。今、フォン様は執務中なのですが…。
「よし、ローゼ。この書類は大臣に突き返しておけ。僕を子供だと思うのは勝手だが舐めてかかるなら徹底的に潰すと伝えろ」
「はい、坊ちゃん」
「こっちの書類はサインしておいた。まとめておけ」
「はい、坊ちゃん。お茶のお代わりは如何ですか?」
「いる」
「今淹れますね」
私は空気です。邪魔にならないように大人しく端に座っています。
「…。疲れた。ティア」
ふと、フォン様に呼ばれたのでフォン様の側に行きます。
「ティア、お前は可愛いなぁ」
頭を撫でようと手を伸ばすフォン様のために頭を下げます。フォン様は私の頭をひとしきり撫でると、よし、と気合いを入れなおしてまた書類の山に取り掛かります。
「あの、ローゼさん」
「どうしました?ジャンティー」
「フォン様はいつもこんな感じで仕事を…?」
私よりも年上とはいえ、まだ子供なのに…。
「いいえ。普段なら休息など取らずに、もっと根を詰めて執務に取り掛かられます。坊ちゃんは仕事熱心でいらっしゃいますから」
フォン様…。心配だなぁ。
「大丈夫ですよ。坊ちゃんは魔王様なのですから」
そういうものかなぁ…。
でも癒してくれるペットがいるから多少は違うかも