お披露目式
フォン様は過保護
ご機嫌よう。ジャンティーです。いよいよ私はフォン様のペットとしてお披露目されるようです。
「ティア!やっぱり、思った通りだ!可愛いぞ、ティア!」
「ありがとうございます、フォン様」
「ほら、行くぞ!」
フォン様に手を引かれてお披露目式とやらの会場を潜ります。
会場は「人間風情が…」とか「でも魔王様の命の恩人らしい…」とか噂で持ちきりのようですが、フォン様が登場した瞬間一気にしん…と静まります。
「んん。…あー、お前達。僕は新しくペットを飼うことにした。僕の命を救ってくれた、可愛い忠犬だ。仲良くするように」
フォン様の言葉に会場がざわつきます。
「ああ、それから…もし、ティアに下手な真似をしてみろ。五体に捥ぐだけじゃ済ませてやらないからな」
フォン様がそう言うと、一気にフォン様の威圧感が増して、魔族全員が跪きます。ですが私は何故かそんなフォン様に安心感を抱いています。
「まあ、お前達を今日緊急に集めた理由はそれだけだ。後は好きに飲んで食べて遊んで過ごせ。ティアはどうする?何が食べたい?」
「では、フォン様のおすすめで」
「ふふん。いいだろう。まずはあっちからだな!」
フォン様がはしゃぎ出すと、ようやく緊張した空気が柔らかくなり、魔族の皆様も立ち上がって動き出します。
その後はフォン様が満足されるまで宴は続き、気がついた時にはフォン様に腕枕をしていました。フォン様がちょうどいい抱き枕になってくださってぐっすり眠れました。
幼い王とはいえ魔族が魔王に逆らうことは本能的に難しいのです