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桜の若葉  作者: aco
Trial&Error Forever
22/23

pre First Battle

思い出しました!


 研修最終日、会場に着くと社長が待ち構えていた。

「村越、お前もう大丈夫っぽいから、今からセイヴオウル本社に行くぞ!出張だ。」

「は!?」

「飛行機、予約してあるから。ほい、これ予約票な。」

「は?……は!?」

 困惑していると、社長の後ろから鈴木さんが出てきた。

「いつもの社長の思いつきです。私も同行します。オバトラに入社した以上は慣れてください。」


 空港へは鈴木さんの安全運転する車で、すんなり到着した。途中で社長が『美和と行くはずだったのに……』とかなんとか愚痴っていたけど気にしない。


 発券機でチケットを発券し、社長と鈴木さんに続いて搭乗ゲートをくぐる。社長は美和さんの自慢話を止めどなく放っている。私は興味深く聞いていたけど、鈴木さんは心から面倒くさそうに「はいはい」と相づちを打っていた。

 着席する頃には自慢話も底をついたのか、私に質問を振ってきた。

「ところで村越って倉敷の彼氏と会ったことある?」

「いえ、無いです。サッカー部の人ですよね。」

「そうそう。この前ちょっと倉敷と話したんだけどウチの会社に欲しいんだわ。なんでもネットワーク関係に詳しい体育会系とかで、ちょうど足りてない人材なんだよ。」

「聞いてみましょうか?研修中なので返事は遅くなると思いますが?」

「おう!頼んだ」

 もそもそとスマホを取り出し、ラインで「社長がキハちゃんの彼氏さん雇いたいって!」と送りつける。案の定、既読はつかなかった。


 ふわっ

「離陸しました!離陸しましたよねっ!!」

「あぁ、離陸したな。って村越は飛行機乗るの初めてなのか?」

「修学旅行で乗ったっきりです。空、飛んでる!」

「あー。席変わろうか?」

「良いんですか!?是非お願いします!」

 社長は窓際の特等席を譲ってくれた。あ、シートベルトのランプは消えていました。

「でだ。東堂常務とのアポなんだけど、午後からなんだわ。村越は午前中にどっか行きたいところとか有るか?」

「ディズニーランド!ディズニーシーも行きたいです!!」

「いや、時間的に無理だ。というかサワが青筋立ててるぞ」

「一応会社の経費での出張なので、あまり遊びに特化した観光地は避けてください」

「はい」

「スカイツリーくらいでしたら大丈夫ですよ」

「それにしましょう!スカイツリー饅頭あるかなぁ?」

「あるといいですね」

「ところで社長、突然真面目な話になるのですが、今年の新入社員、どう考えても多すぎますよね?理由を伺っても構いませんか?」

「おぅ。秘密だ」

 くっ……まだ引っ張るパターンですか!?


 空港を出ると、そこは大都会だった。

「ところで、移動はどうするんですか?レンタカー?」

「いや、こっちの社員が社用車回してくれる手はずになってるんだが……来てないな」

「え!?オバトラって東京にも支社とかあるんですか!?」

「あぁ、ちっさい事務所だけだけどな。ちょっと連絡してみるわ」

 社長は私達から少し離れてスマホを取り出した。

「鈴木さん!東京支社、行ってみたいです!」

「やめておいたほうがいいですよ。あれはまぁ、何と言うか……」

「そうですか。分かりました。切り替えてスカイツリー観光楽しみましょう」


「言いにくいんだけどな……社用車、事故って来られないんだと。どうする?経理」

「レンタカーですね。経費で落とせます」

 鈴木さんはキッパリと言い切った。

「で、小野さん無事なんですか?」

「ああ。怪我はないらしい。相手も無傷だとよ」

「では、レンタカー借りてきますね。あ、村越さんに手続きしてもらいましょうか。レンタカー、借りた事無いですよね?」

「了解しました。村越白、レンタカーを借りてまいります!」


「こんにちは!レンタカー借りたいんですが」

「はい。ありがとうございます。こちらにご記入をお願いします。免許証のコピーを取らせていただきますね」

 免許証……要るんだ。

「車種は……レクサスでいいですね?」

 笑顔で振り向くと、社長と鈴木さんは顔を引き攣らせていた。

「村越さんが言うと冗談になっていません」

「前科があるしな」

 信用されてないなぁ。

「プリウスだ」

「プリウスですね」

 綺麗にハモった。


 駐車場に案内され、運転席に乗り込もうとすると鈴木さんに肩を叩かれた。

「村越さんは助手席です」

 えーー!?首都高バトルしたかったのに!!


「何度も言うようですが、遊びに来てる訳ではありません」

 鈴木さんの無慈悲な勧告が下された。


私、小説書いていたのでした!

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