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桜の若葉  作者: aco
Trial&Error Forever
19/23

動物園


「アルパカ見たい!」

 唐突に叫ぶと、雄輝くんが目を擦りながらベッドから這い出してきた。

「動物園行くけど……ふぁあ、アルパカいるかなぁ?」

「おはよう!おっきい動物園だから、きっといるはず」

「おはよう。動物って何種類いるか知ってる?ピンポイントでアルパカが動物園にいるとは限らないよ。象とかライオンとかキリンだったらいると思うけど」

「アルパカ見たい!」

「まあ、いるといいね」

 私達は浴衣のまま食堂に降りていった。


「おはようございます。朝食は、和食になさいますか?洋食になさいますか?」

 カウンターのお姉さんが優しく聞いてくれる。

「「洋食で!」」

 綺麗にハモった。

「では、お席でお待ちください」


 エッグハムサンドをつまみながら、今日の予定を復習する。

「動物園に行って……」

「焼き物見学して……」

「駅のお土産コーナーでお土産買って……」

「高速で帰る」

「「完璧っ!」」


 荷物をまとめると、チェックアウトして、インプレッサに積み込んだ。


 小一時間ほど走ると、動物園に到着する。駐車場に車を停め、入場口に歩いていった。


「大人2枚ください。ところでココってアルパカいますか?」

「大人2枚ですね。かしこまりました。残念ながらアルパカは展示してないんですよ。でも、近親種のラマがいますので、楽しんでいってくださいね」


 園内に入ってすぐ『←経路』と書かれた看板に従って左に進むと、そこは爬虫類パラダイスだった。

「気持ち悪い……」

「ぐみ、蛇とか苦手なの?」

「すごく苦手」

「オレ、大好きだから先行ってて」

 私は素直に従って、小走りで小屋をあとにした。

 動物ってモフモフ想像してたけど、考えてみたら爬虫類とか両生類も動物だよね、認めたくないけど。


 鳥さんたちを眺めながら進んでいくと、私の目は一点に釘付けになった。


 ーーぺとぺとぺとぺとーー


 ーーぺとぺとぺとぺとーー


「ペンギンさんだ!」

 うん。時間いっぱいまでココにいよう。


 ーーぺとぺとぺとぺとーー

 ーーぺとぺとぺとぺとーー


「あ!追いついた」

 声に振り向くと雄輝くんが隣にいた。

「じゃあ、次行く?」

「私、今からココに住む!」

「俺だって、できるもんならワニと亀とトカゲと一緒に住みたいよ!?未練振り切ってぐみに追い付いたんだから、次行こうぜ」

 ゔゔっ。

 雄輝くんに手を引かれ、仕方なく私は歩き出した。

「ペンギンって飼えないかなぁ?」

「個人で?難しいんじゃね。飼ってる人見たことないし」

「見たことあるよ。ミサトさん」

「はいはい。二次元と三次元を混同しない。国連直属の特務機関の司令官になってから考えような」

 しかし、可能性はあるのだ。

「ペンギン飼えますように」

 ーーパンパンーー

 柏手を打つ。

「誰にお願いしたの?」

「神様」

「うん。まぁ叶うといいね」


 話していると、念願のアルパカ……じゃなかったラマがいた。私達より少し大人っぽいお姉さんと睨み合っている。

 お姉さんの手にはリンゴの欠片が握られていた。


「ふぇぇぇーー!」

 ラマが鳴いた。

「『寄越せ!』って言った!」

「『寄越せ!』って言ってるな」

 お姉さんの向こう側にいた小学生男子と雄輝くんが、お姉さんに催促した。

「ほりゃ!」

 お姉さんはリンゴをほぼ直上に放り投げる。ゆっくりと落ちて来た(ように見えた)リンゴは綺麗にラマの口に収まった。

「シャリシャリシャリシャリ」

 ーパチパチパチパチー

 周囲は拍手に包まれた。

 アルパカ可愛いけど、ラマも可愛いよね。うん。


 ライオンやキリン、ハイエナを見ながらのんびり歩いていると、高台に真新しい建物が見えてきた。

「お昼ごはん食べる?」

「そだな。お腹空いてきた」

 

 レストラン"ズーヴューイング"に入り、メニューを見ると、唐揚げランチの文字だけが箔押しされていた。

「唐揚げランチ2つ、お願いしまーす」

 店員さんに注文し、

「ココにいた鳥さん使ってないですよね?」

 と尋ねると、

「ちゃんと食肉業者さんから仕入れてますよ」

 と返ってくる。

 良かった。


 午後は焼き物工房の見学予定があるので、早足で象さん虎さん、お猿さんなんかを見て回った。

 次回来たときは兎さん触れるところに時間を使おう。


 あ、レッサーパンダもいました!本好き幼女は無関係ですが。

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