温泉回
どぉよぉおぉびぃ!!
今日明日はお休みなので、お泊り温泉デートです!
午前4時に目をさました私は、超ハイテンションで3時間ほど持ち物の確認をしています。
しばらく使うことは無いなって思ってたリュックを引っ張り出し、中身を床に並べてはリュックに入れます。
あぁ、百に見られたら『気持ち悪い』って言われるんだろうなぁ。とか考えながら、自分のニヤケ顔を確認してさらにニヤけるのです。
雄輝くんには30分おきに『起きましたか?』『そろそろ起きましたか?』『起きてください』などとラインを送っているので、起きればすぐに連絡くれるはず。
ーコンコンッー
ドアがノックされ、
「ぐみねぇ、うるさい!」
百から苦情が入った。ごめんなさい。
結局、朝ごはんを食べて出発したのは9時前だった。
「おはよう」
メタリックブルーのインプレッサから、右手を挙げて雄輝くんが挨拶をくれる。
「おはよう」
返事を返してからインプレッサの後ろをまわり、後部座席に荷物を置いて助手席に乗り込んだ。
走り出すとすぐ、
「山越えと高速どっちにする?」
聞かれる。
「どっちが早いの?」
聞き返すと、
「分かんない。直線距離だと山越えだけど、山越えは直線じゃないから」
……うーん。
「じゃあ、景色が良さそうな山越えで!」
「了解」
途中でコンビニに寄って、食料と飲料を確保する。
「弁当作ってくれたら嬉しかったんだけど……」
「女子力低くてごめんなさいっ!」
「料理出来るだけが女子力じゃないよ。ぐみは十分女子力高いって」
くだらないやり取りをしながら、おにぎりとかお茶、おやつなんかをカゴに入れていく。
大きな袋いっぱいに詰まった飲食料品を後部座席に乗せてインプレッサは発車した。
「じゃあ、気合入れて行きますか!」
1時間半ほど市街地を走り、景色が緑に包まれてくる頃には近況報告も終わっていた。
「山越えって何時間くらいかかるの?」
「わっかんない。俺も初めてだし」
「動物とか飛び出してこないよね?」
「うん、来ない事を祈ろう」
「あ!ガソリン入れてない!」
陽斗くんが叫ぶ。
「山の中だけど、住んでる人はいるからスタンドもあると思うよ」
私の言ったとおり、20分も走ると集落があり、ガソリンスタンドも見つかった。
「レギュラー満タン、現金で」
「はい。ありがとうございます」
店員さんがノズルを差し込んで窓を拭き始めたので、雄輝くんをツンツンつつき話しかける。
「そろそろお昼だし、ご飯を食べられそうな所が無いか聞いとかない?」
「あ、そだね」
私は店員さんが助手席の窓を吹き終わるのを待って、窓を開け身を乗り出して尋ねた。
「このあたりで、お弁当を食べられそうな所、ありませんか?」
「あー。10キロくらい先に展望デッキがありますよ!たまに猿が出ますけど」
「ありがとうございます♪」
猿かぁ。ちょっと怖いけど雄輝くんがいるから大丈夫かな。
「任せろ。出たら追い払う」
うん、頼もしい!
『東原展望台1.2km→』の標識を見て右折する。
誰もいない展望台のテーブルにランチョンマットを敷いて、おにぎりとお茶を並べた。
「「いただきます」」
「付き合い始めた頃にさぁ……」
雄輝くんが語り始めた。
「温泉に誘った事あったじゃん」
「うんうん」
「あの時俺、エロい事考えてなかったから」
え!?
「ぐみが勝手に勘違いして……」
「いやいや!考えてたでしょ!?」
「途中からは『これ、絶対いける』って思ったから、そっち方面に舵切ったけど」
ちょっと待て!
「まぁ、今になったらどっちでもいい事だけど、一応言っておこうと思って」
だぁぁぁっぁぁ!!
「あと、今顔真っ赤だぞ」
「ぎゃぁあぁぁぁ!」
絶叫が渓谷にこだました。
「と言う訳で、今回はエロい事無しな」
「うん」
ホテルのツインルームにチェックインし、温泉を堪能してベッドに入る。
5分もしないうちに雄輝くんは私のベッドに侵入してきた。
お!い!!昼間何て言ってた!?




