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桜の若葉  作者: aco
Trial&Error Forever
12/23

自己紹介(キハちゃんと私)

(中略)


 自己紹介はつつがなく進み、キハちゃんの番が回ってくる。

「じゃあ、ちゃちゃっと済ませてくるね」

 キハちゃんはスキップでもしそうな勢いで前に進み出た。


「はじめまして!倉敷葉月(くらしきはづき)と申します。中学、高校とサッカー部のマネージャーをしてきました。人様のお世話をするのが大好きです」

 女子マネか……。大変モテモテだったでしょうね。

「なんとゴールポストを一人で動かせます!私の一番の自慢です。力を使うお仕事は男性陣か私にお任せください」

 わぉ、まさかのパワー系!

「恋人募集をする流れになっていますが、残念ながらカワイイ彼氏がいます。彼氏一筋なので言い寄ってこないでください」

 見てみたい!多分サッカー男子でしょうね、知らないけど。

「大きな声が出せるのも自慢の一つなので、鈴木さんの後釜狙っています。司会とか大好きです。よく喋りすぎって怒られますけど」

 キハちゃんは、とめどなく喋り続けた。

「人前で話すのって気持ちいいんですよね。皆んなが私に注目してくれてるって考えたら興奮してきます」

 そろそろ3分過ぎてない?

 社員さんの方に目を向けると、鈴木さんがキハちゃんを見ながら自分の腕時計をツンツンしている。

「これからの懇親会で積極的に声をかけて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします」

 頭を下げると、ゆっくりこちらに戻ってくる。

 キハちゃんが満面の笑みでハイタッチを要求してきた。私も満面の笑みで応える。


ーーパンッーー


 小気味のいい音が会議室に響き、私は壇に向かった。


「はじめまして、村越白(むらこしつぐみ)です。なんかいい感じでキハちゃん、あ、葉月ちゃんのことです。と交代しましたが、実は私達、今日が初対面です。キハちゃん、良い子なのでお気軽に声かけて下さいね。自己紹介、皆さんの自己紹介の間に必死で考えてたんですが、いいの思い浮かびませんでした。仕方ないのでアドリブで行きます」

 ピースサインをこちらに送るキハちゃんと目が合った。

「まず、私の名前の由来です。白と書いてツグミと読むのですが、両親の予定では、私は男の子だったらしいです。後ろ暗い所のない人生を歩いてもらおうと、白と書いてツグモって言う名前の男の子が産まれるハズでした。だけど産まれたのは女の子。父はツグモがいいならツグミもいいのでは?と考えた結果、村越白が誕生したのでした」

 さり気なく時計を確認する。ゔ、まだ一分ちょいしか経っていない……。

「中学時代は体育会系のクラブを、高校時代は文化系の部活動を転々としてきました。有名なスポーツのルールくらいは分かりますが、芸術は自分が創作、演奏するよりも見たり聞いたりするほうが好きです。あ、文章を書くのは割と好きなので、社史編纂のお仕事とか有ったら回して下さい」

「ねーよ!!」

 社長からすかさずツッコミが入り、会場から少し笑い声が聞こえた。

「彼氏の話もしなくちゃいけない流れなので言っておきますが、カッコカワイイ彼氏がいます。惚気話を始めると3分どころか3時間くらいかかっちゃいそうなので、ここでは割愛させていただきます。聞きたい方は、このあとお気軽にお声がけください」

「いねーよ!!」

 またも社長からツッコミが入る。もしかして、社長、関西出身!?

「何でも素人に毛が生えた程度の器用貧乏を極めると、器用お金持ちになれるんじゃないかと思って、興味あることに片っ端から手を出しています。本職の人とか大好きでやってる方には太刀打ちできないので、生暖かい目で見守ってください」

 そろそろ締め入っちゃっていいですね♪

「夢は皆んなが本当にやりたい事をやって、うまく回る世界を実現する事です。ほぼ不可能なのは分かっていますが、理想に向けて邁進します。よろしくお願いします。ピーエス!お気軽に『ぐみ』って呼んで下さい。ありがとうございました」

 頭を下げると、会場にパラパラと拍手が起こる。


 鈴木さんが立ち上がり、こちらに向かってくる。私が自席に戻るため鈴木さんとすれ違う瞬間にハイタッチを要求された。

 あ、やってみたかったんですね。目立ってましたもんね♪


ーーパンッーー


 もぞもぞと席に戻るとキハちゃんが笑顔で出迎えてくれた。

「今日一目立ってたね」

「そんなつもりは無かったんだけどね」


「自己紹介が一通り終わりましたので、明日からの予定について説明させて頂きます」

 お仕事モードに戻った鈴木さんが話し始めた。

「明日より2週間、皆様にはこの会場でビジネスマナーとコンビニエンスストアの実務について学んでいただきます。講師は広報担当の山査子洋一(さんざしよういち)が行います」

 社員さんの席に座っていた一人が立ち上がり、みんなの注意が向かうと小さく一礼して座り直した。

「このあとの懇親会は自由参加となりますので、各自お好きな時間にご帰宅ください。お疲れ様でした」


 お腹も空いたし、キハちゃんとお昼ご飯でも食べに行こうかと考えていると、会場に美味しそうな料理が運び込まれてきた。

 うん。いただきます。


 

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