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5.教会

4話も同時にupしておりますので前後ご注意ください

ヤン少年に続きわたしも教会へ入ります。

多分女神フロレンティア様をお祀りしているのですよね?そうですよね?

「おお、聖女様!いかがいたしましたか!」

「女神様にご挨拶していきたく存じます」

口から出まかせですがどうやら司祭らしき男性は感動したらしくいつまででもお祈りくださいと言われた。


そんなにいつまでもお祈りするつもりはないけれど、

「女神様のおかげでひとまず逃げられました、お力添えいただきありがとうございます」

とお礼を言いたかったのです。

寝るって言っていましたし伝わるかはわかりませんが。

またお会いできたらちゃんとお礼をいいましょう。



さっきの司祭を捜し、本来のお願いをします。

「城の方たちとはぐれてしまったので、ここで待たせていただけないでしょうか?その間勉強もしたいので本など読ませていただけると嬉しいのですが」

厚かましいお願いですがなるべく下手に、しかし二つも畳みかけます。

聞いてもらえるでしょうか。


少しだけはらはらしていると、

「そんなことでしたらいくらでも!いつまでも居ていただいて構いません!」

と快諾してもらえました。


「まあ、ありがとうございます。お礼にこの街の方々へ癒しを差し上げたいのですが」

と聖女らしく振舞っておきます。

聖女らしさはよくわからないですが聖女っぽいほうがこの人たちも協力してくれるでしょう。



城の人たちが来たら逃げるんですけども。



その司祭はベネディクトさんと仰るそうで、杖がよく似合うナイスミドルです。

杖をお持ちですが腰はぴんと伸びているし、強そうな佇まいではあります。

本当にただの司祭ですか?わたしくらいなら瞬殺っぽいので気を付けましょう。


彼の計らいでベッドのある小さなお部屋を一室借りられたのと、図書室への出入りを認めてもらいました。

更に午前中は教会へ来た人へ癒しを与えることになりました。

色んな人の話を安全に聞きたかったのでこちらにも利があります。

そしてこういうふうに居場所を作っておけば城の人たちも強引なことはできないと踏んでみました。


もちろん一文無しなので何かしないとっていうのもあります。

あとで金銭請求されませんよね、ね?



さて彼らは今どこにいるんでしょうね。

覗いてみると、この街ではない街にいるよう。

どこかは残念ながらわからない。



馬くんキツネくんのお陰ですね本当。



さっそく図書室です。

相変わらず靴が無いので石の床がひんやり、冷たいです。

そんなに広くはないですが、本はたっぷりあります。

本があまり高価ではないようですね、この様子だと。

魔法なりで複製する技術でもあるんでしょうか、気になります。


文字はどうやらこの指環のお陰で読めるようで、背表紙を眺めていると『聖女について』というドンピシャな本を見つけました。

もしかして聖女って運もいいですか?


早速その本を開いてみます。





――この世界は現在人間が住まう"人間領"と魔族が住まう"魔族領"で真っ二つに分かれている。

普段はその二つは不可侵だが、魔王が目覚める予兆として"人間領"に澱みが現れ始める。

その澱みを消すことで魔王の目覚めを阻止できる。

魔王の目覚めは世界を滅ぼすことと同義であり、"魔族領"からしても復活は望ましくない。


その澱みを消すには聖女が必要不可欠だが、

女神フロレンティアは異世界から呼び出した者にのみお力をお授けになるとおっしゃった。

なぜなら、この世界の人間には聖属性の魔力が宿らないからだ。

そこで数百年に一度、澱みを消す聖女を呼び出すことと成った。


聖女は決まった場所から呼び出されているようで、一様に黒い髪を持つ。

その黒い髪に聖なる力が宿ると女神様は我々にお告げになった。


聖女はこの地を巡り、その場にとどまるだけで澱みが解消される。

我々は、その旅を全力でサポートするのがせめてもの報いである。


遠い地から何も知らされずに呼び出され、そして帰ることすら叶わぬ尊い身へ。



「ふうん、一応嘘ではなかったわけですか。」

まあこの本が信用できるともかぎりませんけど。

ぺら、と続きを読む。



――また、女神様の泉に行けば女神様より力を授かるが、それはこの世界からのせめてもの贖い。

旅が少しでも快適なものになるよう、世界から魔力を集めて女神様が授けられる。


一つ目は必ず脆弱な身である聖女の体を護る癒しか結界の力である。

二つ目はその聖女に必要な力を女神様がお考えになる。



「普通は二つなのですね…」

三つ目を貰ってしまったのは幸運だったのか強欲だったのか…

緊急事態でした、考えないようにしましょう。


概ね聖女について知りたいことはわかりました。

道理で崇め奉られるわけですね。

さてそんな存在を害そうとした()()()の考えはどうだったんでしょうね?

謎です。わたしだって普通にしてくれれば逃げ出したりせずに城の人たちと一緒に旅をしましたけど。





そこで、ベネディクトさんが夕食へ呼んでくれたので教会の食堂へ向かった。




20200116:誤字報告感謝します。×通り〇道理

20200118:誤字報告感謝します。抜け2箇所直してます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 城の連中が普通に異端審問官に処されてしまう未来が見えるのですがw
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