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ガルドを筆頭に

 俺たちの意見はまとまった。


「ガルドさん、騎士団なしで魔侯爵をあなた一人で相手どるのはさすがに危険ですよね?」


 ガルドは苦しげな表情でうなずいた。


「それなら騎士団は置いておいて、俺たち冒険者とガルドさんだけで攻め込むというのはどうです?」


 あくまでガルドをリーダーに据えて攻め込めば王国のメンツは保てるだろう。

 しかして、魔侯爵の居城内部の様子など外にいる者にはわからない。

 居城内では俺たち冒険者と協力しあって魔侯爵を撃退できればいい。

 すべてが終わったら最後の一太刀はガルドが浴びせた、とでもウワサを広めればそれで済む話だ。


「ふむ、少数精鋭で斬り込む作戦か……」


 いくらガルドが強いとはいえ、単身で敵の本拠地に攻め込むのは荷が重い。

 だが部下である騎士たちが使いものにならないなら、やる気のある俺たち冒険者を連れていけばいい。

 元々、モンスターを退治するのは冒険者の領分だ。

 俺たちが力を貸せばあるいは魔侯爵も倒せるかもしれない。


「だが一つ問題がある。この作戦を部下に話せば彼らは納得しないだろう」


「そこは俺たち冒険者と敵情視察をする、とでも言葉を濁せばいいでしょう。何も敵の牙城に乗り込むと言わなくても、様子を見ていたら倒せそうだったから倒した、で済む話では?」


 俺の提案にガルドはうなり、考え込んだ。

 俺の横でベルナンディアとケイウッドが「シュージは悪いことを考えさせたら一流じゃな」「だよねー」などとこそこそ話している。だまらっしゃい。


 俺としては魔侯爵などという得体の知れない輩がいったいどんなアイテムを所持しているか気になってしかたがないのだ。

 また、それを他の誰かが手に入れる前に俺のものにしたくて必死なだけだ。

 もちろん、魔侯爵という輩が強力な敵だった場合は引き返す手もある。

 ただ、できれば誰にもバレない形で「リミッター」を解除してでも敵を倒してめずらしいアイテムを収集したい。

 これは冒険者としての責務以上にアイテムコレクターとしての意地がかかっているのだ。

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