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理解、得られず

 ケイウッドやネムリ、メルティエも起きてきたので俺たちはとりあえずパンとスープで軽食を取った。

 みんなまだ完全に疲れが抜けたとは言えない様子で、これはこの一件が終わったら少し気晴らしをする必要がありそうだ。

 そんな俺たちのところにかしこまった来訪者があった。


「皆、疲れは癒えただろうか?」

 

 王国騎士団長ガルド・スワルドだった。


「完全に、とは言えないけれど、元気にはなりましたよ」


 ガルドは俺たちの前にやってくると深々と頭を下げた。


「昨夜は申し訳なかった! 必ず騎士団で援護をすると約束したにも関わらず。私の力不足が実際、恥ずかしい……!」


 たしかに昨夜は約束を反故にされた、という思いもないわけではなかった。

 人に仇なすモンスターを倒すのが冒険者の務めとは思っているが、守る対象が力を持ちながら加勢の一つもしてくれないようではやる気が失せるのもしかたない。

 ガルドが悪いわけではないのだが……。


「頭をあげてください。俺たちはすべきと思ったことをしたまでですから」


「本当に申し訳ない。あれだけの働きをしてくれた貴殿らに、私一人の言葉でしか労うことのできない不明を許してほしい」


 それはつまり、他の騎士の連中はいまだに冒険者のことを認めたわけじゃないということか。

 なるほど、どうしてシルバークラス以上の冒険者たちが王国のために働こうとしないのかが理解できた気がする。


「すみません、ちょっと仲間たちと話していいですか?」


「ああ、構わないとも」


 騎士団が動かないとなると戦力的に魔侯爵討伐が可能か微妙なところだ。

 それでいて俺たち冒険者が倒したとなるとそれはそれで王派閥はこまるという。

 だが、ここまで頑張ったのに途中で投げ出すのも癪だ。

 俺たちはこそこそ話し合った結果、一つの方策にたどり着いた。

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