表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/255

ダメージ

 崩れ落ちるゴブリンを捨て置き、ケイウッドのもとへ駆け寄る。


「おい、大丈夫か!」


 小さくうめいているケイウッドの体を抱えおこし、打撃を受けた箇所を確認する。

 よかった。

 幸いにもゴブリンの一撃はレザーアーマーの肩当てで防がれていたようだ。

 肩当てがボコボコにへこみ、ゴブリンの力がいかに強かったかを物語っている。


「つッ……!」


 ケイウッドが顔を歪めた。

 肩当てを上にあげると、その下からは真っ赤になった肩が顔を出した。

 骨は折れていないように見える。

 おそらく打撲で済むだろうが、これではこれ以上の戦闘は不可能だ。

 腕をすこし動かすだけでかなりの激痛が走っているのだろう。

 ケイウッドの額にはびっしり汗が浮かび、歯を食いしばって痛みに耐えているのが伝わってくる。


「シュージ……」


「無理するな。肩を貸すから今日は引き返そう」


 俺が提案するとケイウッドは苦しげな表情で首を横にふった。


「オレなら、大丈夫だ……。まだやれる……」


「何いってんだ! そんな状態でまたモンスターに出くわしたら、まともに戦うどころか命を落とすぞ!」


「オレは、初心者を、卒業するんだ……!」


 ケイウッドの目には決意がこもっていた。

 冒険者登録してから何ヶ月もその日暮らしの生活をしてきた。

 冒険者らしいこともできず、せっかく仲間を得てはじめてのダンジョンに挑んでいる。

 この機会をムダにしたくない、そうケイウッドの目が語っていた。


 それでも命あってのモノダネだ。

 ダンジョンなんてまたいつでも来られる。

 そう俺が説得しようとしたとき、広間の二つある出口の一つから何かがのそりと現れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ