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メルティエの特異な体質

『お前はどの属性の魔法が使える?』


 炎精霊の質問に、メルティエは口ごもりつつ答えた。


「火属性のみ、です……」


 しぼりだすような声だった。


 以前、「深緑の森」のリーダー、メルティエの姉であるコルシェが言っていた。

 自然魔法が使えるようになるまでエルフの森を出てはならない、と。


 魔法に長けたエルフ族なら自然魔法は使えて当たり前。

 さらに様々な汎用魔法やコルシェのように水属性魔法まで扱える者もいる。

 自然魔法が使えないだけでなく、よりにもよって森の守り人たるエルフ族には相性の悪い火属性魔法しか使えないメルティエにとって、この事実は恥辱や屈辱に近い思いを抱かせているであろうことは想像に難くなかった。


 うなだれているメルティエに向かって炎精霊は奇妙な言葉をかけた。


『やはりそうか。お前の魔法回路にはねじれが見える。胎児のころに何かあったか、生まれ持ったものかは分からぬがな』


 魔法回路にねじれ?

 魔法回路とは名前の通り、魔法を使う際に全身に魔力をめぐらせるための経路だ。

 簡単に言えば血をめぐらせる血管の魔力版。

 それにねじれがあるということか。


『謝礼のついでだ。お前の魔力回路のねじれを正してやろう』


 炎精霊はゆっくり腕を持ち上げ、メルティエの額に手のひらをかざした。

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