25/255
ゴブリンとの遭遇
足音を立てないように道を進んでいくと広間に出た。
果たして、そこには二匹のゴブリンが手持ちぶさたな様子でウロウロしていた。
手にはこん棒、もう片方の手には簡単な木製楯を装備している。
防具はつけていなかった。
ケイウッドの《気配消し》のおかげでこちらに気付いていない。
俺は壁伝いにゆっくりと移動し、一匹のゴブリンの背後にまわった。
腰にさげた鞘からナイフを取り出し、広間入口のほうに目を向ける。
頼んだぜ、相棒。
入り口の陰にいるケイウッドの活躍を祈りながら、俺はナイフの柄をにぎる手に力をこめた。