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灼熱の地底
その後もどんどん掘り進んでいくと次第に気温が高くなってきた。
「ねぇ、ちょっと暑すぎない?」
「マグマ帯が近づいてきておるんじゃろう」
「マグマってなに?」
俺はネムリの汗を拭いてやりながら説明した。
「めちゃくちゃ熱い、ドロドロした火と岩でできた水みたいなものだよ」
要領を得なかったのか、ネムリは不思議そうに首をかしげた。
まあ実際に目にすれば分かるだろう。
「マグマ帯にいるモンスターとなると、私はあまり役に立てませんね……」
火属性魔法を扱うメルティエは悔しそうに顔をしかめた。
「敵を感知した! 何匹かいるけど、コイツらは間違いなくモンスターだ」
ケイウッドの報告でいっきに緊張が走る。
ベルナンディアが慎重に掘り進めていくと小さな光が見え、通れるだけの穴を開けるとムワッとした熱気がなだれ込んできた。
たどり着いた巨大な地下空洞には至るところにマグマが流れ、岩壁を灼熱の赤で照らしていた。