大きな遭遇者
ケイウッドの探知した敵影から離れて各々が得物を構えた。
ドドドド、と地鳴りが近づいてきたと思った次の瞬間、休憩所の壁に亀裂が入り、巨体が姿を現した。
「ジャイアント・モール!」
その背に人が何人も乗れるほど大きなモグラのモンスターだった。
ジャイアント・モールは開けた空間に出たことで戸惑ったかのように上下左右に首をめぐらし、すぐに俺たちのことを敵として認識した。
俺はすかさず「状態目視」で敵の大まかなレベルとステータスを確認した。
大丈夫、たいした敵ではない。
「ベルナンディアとエルスラで足止めを! 俺がサポートして3人で倒す! ケイウッドはネムリとメルティエの護衛を! メルティエ、攻撃魔法は使うなよ!」
こんなところで崩落が起こって生き埋めになってはたまらない。
短く返事をしたみんなは迅速に動き出した。
突進してくる巨大モグラを正面からエルスラが押さえ込み、俺が走り抜けながら剣で巨体に横一文字の傷を加える。
悲鳴をあげてバランスを崩した敵の首すじ目掛けてベルナンディアの「巨人殺し」が振り下ろされた。
勢い盛んだった巨大モグラは素早い連携によりあっという間に息絶えた。




