ドワーフ族の酒宴
宴会場に向かいがてら、俺が「コレクターズ」から引き継いだアイテムや能力のことを話したら案の定、ベルナンディアが悔しがった。
だが、戦闘狂の相手は同族に、ということでオルカがライバル視していたことにして対抗意識をそちらに向かわせた。
戦闘狂の標的になるなんてたまったもんじゃない。
一方で、俺が不思議なアイテムを所持していたり、小器用に様々な魔法を使えることについて、みんな納得してくれたようだった。
宴会場に着くとさすがドワーフの酒宴と言うべきか、大きな酒壺がズラリと並んでおり、まだ宴が始まっていないにも関わらず、あたりにはアルコールのニオイが充満していた。
王様と王妃様が皆に姫様ことベルナンディアの帰還を改めて伝え、その仲間として俺たちを、さらには婚約者としてメルティエを紹介した。
さすがにエルフ族の、しかも女性のメルティエが婚約者という発表にざわめきも生じたが、いざ酒宴が始まってしまえばそんなことは忘れ去られ、飲めや歌えやの大宴会となった。
今回は特にドワーフ族秘伝の度数の強い火酒もあったため、俺はいつも通りの教育的配慮から早々にネムリを宴会場から救い出し、用意された寝室へと避難した。




