表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/255

悔しくないもん

 しばらく灼熱の炎が燃え盛り、ゆっくりと竜巻が消えていくと、焼けこげた後に残ったのは倒れてすすまみれになり、目をまわしている少女だった。

 メルティエの卓越したコントロールのおかげで傷ひとつ付いていない。

 周囲の酸素が燃焼に使われたことで軽い酸欠で倒れただけだった。


「勝負あり、じゃな」


「なんで止めてやらなかったんだよ」


「あやつには、外にもっともっと広い世界があることを知ってほしかったのじゃ」


「姉心かねぇ」


 ひとり身の俺にはよくわからない感情だ。

 かわいい子には旅をさせよ的な感じなのだろうか。


 ベスメディアの顔のすすをハンカチで拭いてあげているメルティエのもとへ行き、水袋を渡してやる。

 水を飲まされて意識を取り戻したベスメディアはゆっくりと起き上がり、メルティエから距離を置いた。


「……約束だから、あなたを姉様の婚約者と認めてあげます」


 小さな体を小刻みに震わせ、目を潤ませながら、


「でも! ……私の義理の姉としてはけっして認めてやらないのです!」


 精一杯の意地を張った。

 どういう理屈かはさっぱりわからないが、とりあえず一件落着ということで良いみたいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ