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小公女からの挑戦状

 ドワーフ家族の感動の再会もそこそこに、なぜか俺たちは訓練場に来ていた。

 しっかり装備を調えたベスメディアは鼻息荒く、親である王と王妃はニコニコと無責任に微笑んでいた。

 頼むからあのちびっ子を止めてくれないか?


 急展開に戸惑いを隠せないメルティエにベルナンディアは「軽くあしらってやればよいぞ」とこちらも無責任なアドバイスをしている。

 お前も姉なら止めてやれ。


 俺たち一行は呑気な王夫妻と一緒に、王女ベスメディアの謎の試験を受けさせられることになった可哀想なエルフを見守ることになった。

 メルティエからすればまだ年端もいかない少女に本気を出すわけにはいかないし、かといって、せっかくベルナンディアに婚約者として認められた手前、模擬戦に負けるわけにもいかないジレンマに頭を悩ませていることだろう。


 死線をくぐり抜けてきたメルティエなら負けることはないだろうが、問題は相手を傷つけずにどう勝つか。

 一番の問題はそこだろう。


「エルフ! 私に勝ったら姉様の婚約者として認めてやります! でももし私が勝ったら大人しく国から出ていってもらいますからね!」


「は、はぁ……」


 がんばれ、メルティエ。

 俺は心からお前のことを応援しているぞ。

 すごく投げやりな気持ちで仲間のエルフにエールを送った。

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