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次なる目的地へ
「皆様、何から何まで御助力いただき、誠にありがとうございました」
村の出口でイルカとお付きのバンドウに深々と頭を下げられた。
「いいってことよ! また何かあったらいつでも連絡してくれよな!」
リーダーのケイウッドが得意げに胸を叩いた。
オークの大軍、そして狂豚王との戦闘。
振り返ればハイオーガたちの助勢も大いに助けになった。
結果的には持ちつ持たれつってやつだ。
「おいシュウジ。鍛え直したらてめえの全力を正面からぶちのめしてやる。覚悟しとけよ」
こっそり耳打ちしてくるオルカが恐ろしくて震えるね。
「アイテムコレクターの俺なんかよりベルナンディアと競い合えって。あいつは今後もメキメキと強くなるぞ」
「へっ、違いねえ!」
鼻を鳴らし、ベルナンディアに闘志のこもった視線を投げる。
もちろん戦闘狂のドワーフ娘は不敵な笑みで返してみせた。
俺たちは三人の鬼人族に別れを告げ、アザンテ山脈の麓を西に向かって歩き出した。
「ケイ、次はどこへいくの?」
「なんて言ったっけ?」
「ドワーフの王国にしてワシの生まれ故郷、ミズラガルドじゃ!」