話し合い
「で、うちの下僕になりに来たんか?」
飾りの付いた玉座に腰掛けて脚を組み、床に座る俺たち、もといオルカに挑発的な問いかけをした。
「……村を返してもらう」
そばの刀に触れた手をイルカがいなし、感情を押し殺してオルカが答えた。
そんな態度を気にも留めず、
「もちろんええわよ、あんたがうちのものになるならね」
どこまでも高飛車に振る舞うシロナだった。
うん、最高に雰囲気わるいな。
俺たちもう帰っていいかな?
村まで同行してロック・ワームも退治したし、お役御免だろう。
チラりと隣を見ればケイウッドも居心地わるそうに目をつぶっていた。やっぱり帰るか。
「シロナ様、わたくしたちは話し合いをするために来ました」
「イルカもすっかり大きく……は、なってないみたいのぉ」
出るところが出ているシロナから、いやらしい煽りを受けて赤面するイルカ。
だが、グッとこらえて挑発を受け流し、
「この村は元々、わが一族が統治していました。それにわたくしたちの目指すところは一緒のはず。鬼人族の誰もが安心して生活できる場所を守ること。であれば協力しあうこともできるはずです」
イルカの必死の説得に、シロナはにんまりと屈託のない笑顔を返した。