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下山
俺たち一行は山をくだり、山づたいに西を目指した。
オルカたちが元いた村落があるという方角だ。
道中、オルカは魔眼の調子を確かめるように遠くの空を眺めたり、あちこちに視線を向けていた。
魔眼を装着したばかりなのだから無理もない。
言葉どおり、見える世界が変わるのだから。
魔力供給の操作に慣れないうちは見えるもの、見たいもの、見なくてよいものの選別の調節が難しく、視界がボヤけたりする。
山麓の森のなかを進んでいると、遠くで鳥の一団が空に舞った。
「オルカ!」
「間違いねえ、村の方角だ!」
鳥が逃げ散った方角からドォン!と地鳴りが響いた。