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見慣れた朝

 気が付くと朝になっていた。

 眠たい目をこすって辺りを見まわすと見るも無残な光景が広がっていた。

 大広間に酔いつぶれた連中が雑魚寝状態で寝息を立てている。

 酒場でよく見る光景だ。

 たしかメルティエとネムリ、鬼人族の女性たちは執事さんに頼んで空いてる部屋へ案内してもらったんだっけ。

 それ以外の呑兵衛どもはこうして気持ちよさそうにくたばっているわけだ。

 屍ヶ原の中心でドワーフ娘とハイオーガの長が今もなお酒飲み対決を続けているのは呆れたことに幻覚ではないらしい。


「おはようございます、ご主人様」


「ああ、エルスラ。おはよう」


「お水をどうぞ」


 ありがとう、とお礼を言ってグラスを受け取った。

 メイド服姿のエルスラがこういうことをしてくれると本当のメイドさんみたいだな。

 いや、俺のことをご主人様呼びしているのだから実質、主人とメイドなのか?

 冒険者仲間であり主従の関係でもある、か。両立はするかな。


 もらった水を飲み干すとボンヤリしていた思考がクリアになっていく。

 目が覚めて、いま自分が置かれている状況が改めて理解されていく。

 オーク軍を倒した、強大な豚の王を打ち破った、それはいい。

 現実を認識して立ちもどる着地点に足場の悪いところがある。

 それはパッと思い付くかぎりで二つ。

 あとでハッキリさせておかないと座りが悪いな。


 とりあえず腹を満たして風呂でも浴びよう。

 突っ伏しているアンデッドどもが蘇るにはまだ時間がかかるだろう。

 朝食には何を食べよう。

 マーガリンを塗ったトーストに目玉焼き、カリカリに炒めたベーコンなんかいいかもしれない。

 現金なもので、想像した途端に腹の虫がグーと鳴った。

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