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狂気の軍勢

「まずいな、これは……」


 《転移門ゲート》を抜けて、ザカの森方面のオーク軍の前方に移動した俺たちが見たものは異様な軍隊だった。

 まだ遠目ではあるが、あのオークたちは……。


「シュージ、君はあのオークの様相を知っているようだな」


「コルシェさん、あれは種族魔法で《狂戦士化バーサーク》したオークです。しかもあれだけの数のオークどもを一斉に《狂戦士化バーサーク》できるとなると指揮官がいるだけでは済まない。おそらく、奴らの王とも言える存在、ハイオークがいますね」


「ハイオーク……。では、王たる者を潰せば奴らの進行も止まると考えていいのか?」


 普通の軍隊であれば頭を叩けば指揮系統が乱れるものだ。

 だが、《狂戦士化バーサーク》したオークにはすでに理性というものが存在ない。


「いえ、それはないですね。やつらは死をも厭わない、ただ前進して眼前のすべてを蹂躙する狂気の軍勢です。もはや統率も何もない状態です」


「要は殲滅すれば良いというだけのことじゃろう?」


「難しく考えることもねえ。皆殺しにするだけの話だ」


 ベルナンディアとオルカが得物を手に取り、わかりやすく答えを出した。


「そういうことになります。むしろ心配なのは……」


「騎士団のほうだな?」


 俺たちには強力なアイテムも魔法もある。

 だが、剣術を鍛えただけの騎士団はスキルと簡単なアイテムぐらいしか頼れる手立てがない。


 モンスターの討伐経験があったとしても今回のオークどもは荷が重いはずだ。

 死ぬことも恐れない軍団を前に騎士たちの士気が挫けなければよいが。


「シュージ、数では君たちが勝る。正面を任せて良いか?」


「構いません。コルシェさんたちは右翼をお願いします。パトリシアたちは左翼を頼めるか?」


「任せておいて!」


 遠く西側では騎士団がおなじく鶴翼の陣を敷いてオーク軍を待ち構えている。


 俺たちが迎え撃つ軍勢をはやく倒せれば騎士たちの助勢に向かうことができる。

 むしろ騎士団に加勢し、王都への進軍を防ぐことが今回の戦の要となるだろう。


 俺たちの戦いぶりが騎士団の、ひいては王都の防衛に大きく影響を及ぼす。

 気の抜けない戦いの始まりだ。

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