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王女への報告

 ひとまず自由になった俺はアレクセイとともにパトリシアを介してレイニア姫に会いに行った。


 鬼人族とオーク軍の一件でドタバタしていたが、元々は王都で裏の商売を取り仕切っている魔族たちとの会談が目的だった。

 その経緯と結果を報告すると王女殿下は安心したようにやわらかな笑顔を浮かべた。


「ご活躍に感謝いたします。まさか魔族の者たちと共生の関係をも築かれるとは思ってもみませんでした」


「いえ、こちらとしても魔族たちの反応は予想外でした。先にお話した鬼人族の件でもそうですが、一般にモンスターと呼ばれる魔族の者でもすべからく人間に敵意を持っているとは限らないのですね」


「わたしもビックリしたわ。とくに大きくて凶暴そうなクマの魔族なんて人間の子どもが大好きだったんだから! あなたも見たらビックリするわよ」


 パトリシアが大げさに両手をいっぱいに広げてワイルドベアの巨体を表現してみせた。

 姫様はクスクスと笑い、重ねて俺たちに感謝の意を述べた。


「孤児院についてはわたくしのほうで手配いたします。ここからはわたくしの戦いですね」


「私たちにできることがあれば何なりとお申し付けください。私もシュージも貴女様の味方だということをお忘れなきよう」


「わたしも補佐するから今まで以上に密に連絡を取り合いましょう。わたしたちは志をおなじくする者、冒険者でいうところの、いわばパーティよ!」


 アレクセイとパトリシアの言葉に励まされ、レイニア姫は嬉しそうに、そして決然とした表情でうなずいた。

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