作戦はこれで
ダングスト侯を黙らせることはできたので、あとは国王と騎士団長の承認が必要だった。
こちらは話のわかる二人であっさりと許可がおりた。
両名とも俺の説得のなかに出てきた、騎士団の名誉の回復という点について、おなじ思いを抱いたらしい。
王国領民を守りつつ、騎士団がその役割を果たすことで名誉を回復する、これ以上ない目的と成果である。
作戦についてだが、ザカの森とその西のアザンテ山脈の間からオーク軍が現れるなら、ダングスト侯と王国騎士団の顔を立てて、これを騎士団に中央で食い止めてもらうことになった。
騎士団の右翼側を「深緑の森」が、左翼側を俺たちとオルカたちで補助するのがいいだろう。
王国騎士団の実力は定かではないが、士気高揚のために先陣には騎士団長のガルドにも加わってもらう。
副長のダンタークは王都の守護で留守番だ。
ダングスト侯も騎士団後方で指揮をとることになった。
今回の戦の肝はオーク軍討伐はもちろん、その立て役者として王国騎士団に活躍してもらうことにある。
だが、オーク軍には指揮官がいるであろうとのことだから、いざという時には俺たちや「深緑の森」が出張っていくことを了承してもらった。
作戦が決まればあとは準備あるのみ。
オーク軍への警戒は「深緑の森」が請け負うとのことなので、俺たちは王都で戦の用意をして待つことになった。




