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謁見の申し出
俺たちは《転移門》で王都へもどり、非戦闘員あるいはケガをしているハイオーガを俺の屋敷にかくまった。
執事や秘書たちは亜人種に驚いていたが、彼らに敵意はないことを伝え、客人扱いで水と簡単な食事だけでもふるまってくれるよう頼んだ。
戦えるハイオーガはオルカとイルカ、バンドウと男の剣士数名、女の巫女若干名のみ、俺たちについてくることになった。
コルシェの話によればザカの森はかなり入り組んでおり、オルカたちが森を抜けるのにも丸一日かかったという。
オークの軍勢があの森を通ることは難しいだろうから、街道沿いに西を迂回してくるのであれば三日はかかるとの判断だった。
それだけの時間があれば王とガルドを説得し、王国騎士団に戦の準備をさせることができる。
俺はパトリシアとアレクセイ、コルシェ、オルカとともに王と騎士団長ガルドに謁見を申し出た。
かねてより四大貴族であるアレクセイ、「深緑の森」のリーダーであるコルシェへの信頼が大きかったのだろう。
事は急を要する旨を伝えると俺たちはすぐに国王に謁見できることになった。




