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状況整理

「ケイウッド、とりあえず確認したいことが山ほどあるんだが」


「なんだよなんだよー、やる気じゃないかよー」


 そのニヤついた顔を一発殴っていいか?


「俺はついさっき冒険者になったばかりな上に、実はかなり遠いところからやってきたんだ。だから世間一般の常識にうとい」


 ウソは言ってない。


「あまり非常識だと田舎者だとバカにされるからな。せっかくパーティを組んだよしみだ。いろいろ教えてくれないか?」


「オーケーだともさ! このオレ様、ケイウッドさんが何でも教えてやるぜ!」


 頼られたのがよほどうれしいのか、ケイウッドは腕組みして満足そうに首を縦にふった。


 ケイウッドから聞き出した情報は役に立つものばかりだった。

 まず、この世界は基本的にゲームの「コレクターズ」とあらゆる設定が瓜二つということだ。

 これは俺が感じたところと相違ない。

 だが、ゲームと実生活とではやはり細かに違いもあって、たとえば腹が減るとか眠くなるとか、ダメージを受ければ痛いとか、そういった生理面のものごとはどうしてもリアルに準拠するようだ。


 あと、もっとも気になっていたところの万が一、死んでしまった場合に生き返ることができるか、という点だが、結論から言うと「できないこともないがほぼムリ」だった。

 基本的にはリアルと同じく、死んでしまったら一巻の終わりだ。

 だが、高レベルのプリーストに蘇生魔法をかけてもらうか、癒しの女神リュクスを信奉するリュクス教団に多額の寄進をして蘇生魔法をかけてもらうなどすれば生き返ることもできるらしい。

 ただ、蘇生魔法が使えるほどのプリーストなんてほとんどいないし、いたとしてもリュクス教団に高額で雇われて蘇生魔法の儀式を請け負っている場合が多いため、実際にはめちゃくちゃ高いお金を支払わなければ生き返れないということだ。

 要するにゲーム感覚で蘇生を頼りに冒険してたら命がいくつあっても足りないぞ、ということらしい。


 あとは基本的に「コレクターズ」と似たシステムになっているようだ。

 お金は金貨、銀貨、銅貨が流通している。

 金貨以上のものは価値ある宝石などに変えて持ち運ぶのが金持ちの常識らしい。


 魔法や属性については大別して火、水、自然、神聖、邪悪、そして物理攻撃などの無属性といった具合だ。

 冒険者のランクなどもあって、一定のレベルに達したり、めざましい活躍をした者には上からゴールド、シルバー、ブロンズとそれぞれの称号プレートが与えられる。

 この金、銀、銅のランク分けは魔法やアイテムの強さや希少さにも適用される。

 強力な魔法や入手困難で効力の強いアイテムには高いランクの評価がされる、という感じだ。

 このあたりは「コレクターズ」と変わらないため、飲み込むのも容易だった。


 あとは大陸の地理や国、宗教などについてだが、このあたりも「コレクターズ」と大差なかった。

 レベルやスキル、ステータスパラメータの上限についてはケイウッドのレベルが低いため聞かなかった。

「コレクターズ」と同じならレベルは255、スキルは99、ステータスは999、HPやMPは99999が上限で間違いないだろう。


 最後に一つだけ気になっていたことを聞いてみた。


「この世界に魔王というか、モンスターの親玉みたいなやつはいるのか?」


「ハハハ、シュージは勇者にあこがれるお年頃かい?」


 鼻で笑われてクッソ腹立つ。


「そんなものはいないさ。だけど、ここ数年、モンスターの動きが活発になってきてるのが冒険者の間でも不安視されてるね」


 なるほど、ゲームのラスボス的なキャラはいないけど世界全体の治安は悪くなってきてるってことか。

 正直、かなりムカつくところもあるやつだが、ケイウッドから得た知識は有用なものばかりで助かった。

 おかげでこの世界の仕組みや設定が大まかに理解できた。

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