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地下闘技場

 地下へ移動し、俺は闘技場に続く通路へ、エルスラは観客席へ案内された。

 エルスラには俺のことより観客の中で怪しい素振りを見せる者、あるいはこの催しの支配人なる人物をそれとなく、さぐるよう命じた。


 通路の先からうっすらと血のにおいがただよってくる。

 今まで行われてきた闘いで流された血が建物に染み付いているのだろう。


 俺は《無限の宝庫アナザーポケット》から新品のロングソードとアイアンシールドを取り出した。

 それらに《武具改修》のスキルをかけて、とりあえず壊れないようにした。

 そして顔を隠すため、ヘビィアーマーの兜を装備する。

 それだけだと視界が狭くて周囲が見えづらいので《視界瞭然フルスクリーン》の魔法も唱えた。


 どのような敵が現れるかわからないが、ゴールドクラスの冒険者が数えるほどしかいないんだ。

 そして俺はその数少ないゴールドクラスの冒険者の一人。

 まさか命を取られるほどの相手が出てくることはないだろう。


 だが、油断をするつもりはない。

 俺たちを案内した店員は命を賭けた闘いと言った。

 この闘いに参加する連中は命を奪うこともいとわない輩がそろっているはずだ。

 こんなところで殺されてたまるか。


 準備ができたのか、先ほどの店員が戻ってきて俺に近寄った。


「出番でございます。その前にお名前をうかがってもよろしいでしょうか? もちろん偽名でも構いません」


 選手登録みたいなものか?

 あるいはそれぞれの試合で賭けが行われていて、そのための名前が必要といったところか。


 本名を名乗るつもりはもちろんなかった。

 これからこの国の貴族になるというのに、裏の社会で有名になっては威厳もないし、王侯貴族に対して体裁も悪かろう。

 偽名……シュウジ、習字、書き初め、めぞきか……。


「名前はメゾッカだ」


「かしこまりました。それではメゾッカ様、第一試合を全力で生き残りくださいませ」


 丁寧にお辞儀をすると店員は去っていった。


 俺は剣と盾を握りしめ、闘技場へ続く通路を前進していった。

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