エルスラと酔っぱらいと俺
翌日、思ったとおり酔っぱらいどもは宿に帰って来なかった。
冒険者ギルドに行くと前にも見たことのある、そしてあまり見たくない惨憺たる光景が広がっていた。
まず、ギルドのカウンターでエルスラを冒険者登録した。
クラスはメルティエと同じウィザードだった。
エルスラいわく、水や邪悪の魔法は使えるだろうとのこと。
種族的に火の魔法は相性が悪いようだった。
また、ウィザードではあるものの体の硬度を調節することもできるので前衛としても戦えるらしい。
はじめのストルフのダンジョン以降、ずっといっしょに戦ってきたのでレベルも相当高そうだ。
即戦力として活躍してくれるのはありがたい。
冒険者登録が終わってから酒場側に移動する。
いまだに飲んでいるベルナンディアと顔色が死にかけているメルティエにエルスラのことを簡単に紹介した。
酔っぱらっているので二つ返事でわかったと言われた。
絶対わかってないと思うけど、めんどくさいから追及はしなかった。
床の住人になっているケイウッドも一応、起こし、パーティリーダーとして事の経緯だけは説明しておいた。
こっちもこっちで起きているのか寝ているのかわからない半眼でわかったと言われたのでそれ以上は追及しなかった。
そんなこんなで新たにエルスラが仲間に加わった。
それからは俺の叙勲式までまたそれぞれ自由に行動するということになった。
俺はレクストに紹介してもらった情報屋を使い、これから自分が身を置くことになる王国について、そして裏の商売が横行している貧民窟について、ざっくりではあるがひと通りの情報収集を行った。




