表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/261

生と死の狭間で

 腹が痛い。


「シュージ!」


 遠くで俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。

 たぶんケイウッドだ。

 軽薄で頼りなくて不用心で、盗賊には似合わないお人好しで。

 でもどこかほっとけなくて、結局パーティを組んでしまった。


 パーティ……?

 咳をすると生あたたかい液体がゴボゴボと口から漏れた。

 酒豪で強靭で、それでいて包容力のあるベルナンディア。

 無垢な青い瞳でまっすぐに見上げてくる弟のような妹のような、庇護欲をかき立てられる存在のネムリ。

 機転が利いて何かと世話を焼いてくれるメルティエ。

 まだ大した冒険もしていないというのに。


 真っ暗で何も見えない。

 俺は、死ぬのか?

 死ぬ…………死ぬってなんだ?

 なんで俺が死ななければいけない?

 俺は「コレクターズ」を骨の髄まで遊び倒した男だぞ。

 それが「コレクターズ」にそっくりな世界で、しかもまだ見ぬレアアイテムを集めることもできずに死ぬだと?


 俺はこの世界でも最強のアイテムマスターになると決めたんだ。

 決めたからには中途半端には終われない。

 決めたからには必ず成し遂げる。

 死んでたまるか……。

 絶対に、こんなところで、死んでたまるか……!


 心の底から強く、強くそう願ったとき、俺の脳裏に一つのパネルが現れた。

 そこには青白い文字で『咆哮』と記されていた。

 俺は持てる力をふりしぼり、そのパネルに意識を集中させた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ