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子猫0007

8畳1間の部屋へベッドと机が置かれ、駄女神アルスラーナとタルノが居るだけではあるのだが、なにせアルスラーナは背に翼を背負っているため結構な場所を取ったりするのである。

此処へ更に人を呼び込むと考えると狭いと言えるだろう。


「ん~っとぉ、そうね、20畳くらいにしておきましょうかね」

そう、お気楽に告げるアルスラーナであるが、ちと広過ぎないか?


「え~っと、アルスラーナ様?」っとタルノが声を掛ける。

矢張り彼も広過ぎると思ったのであろうな。


「なぁ~にぃ?」っと不思議そうにアルスラーナが小首を傾げて尋ねる。

なかなかに小聡明いな、駄女神めっ!


そんな彼女へタルノが困ったように…

「それじぁ狭過ぎませんか」っと、って、えっ?

「天界のアルスラーナ様の私室は100畳はありますよね。

 本当に20畳で良いんですか?」

そう確認する訳だが…セレブかっ!ああ、そうか…最高神の孫と言う至高級のセレブたったわ…


「んっ~」っと言いながら人差し指を顎に当てて考えるアルスラーナだが…

「取り敢えずで良いんじゃない?

 狭かったら広げれば良いんだし」っと気楽に告げている。

まぁ、反則的なダンジョン機能を持ってすれば可能なことではあるが…それで良いのであろうか?


そんな訳で多少は揉めたが結局は20畳程に部屋が拡張され、ベッドは天蓋付きへと変わる。

袖机付きソファにテーブルが中央へと配され、その上にはティセットが置かれているようだ。

茶菓子としてリーフパイらしき物がも置かれており、清洒(せいしゃ)なクラシック音楽がたおやか流れ始めているな。


うん、完全に寛ぎ空間である。

壁にもシックで落ち着いた感じの品が良い壁紙が張られ、フローリングと化した床には精密な模様が描かれた豪奢な絨毯が敷かれている。

天井も木材の天板が張られているが、精緻な彫刻が施された代物が張られている。


そんな天井からはシャンデリアが吊るされ辺りを照らしているので、先程しは違い非常に明るいと言えよう。

そんな寛ぎ空間と化したコアルームにて紅茶を嗜みつつ寛いでいるアルスラーナにタルノが呆れる。


「あのですね、アルスラーナ様、ダンジョンはリゾート施設じゃないんですが…」

最早言っても無駄と悟ってはいても言ってしまうタルノであった。


「ま、良いんじゃない?どうせ数合わせのダンジョンなんだし♪

 それにね、どうせなら子猫ちゃんと過すための寛ぎ空間にしたいじゃない☆」


いや、それって本当に良いのか?


「ん~、もう、仕方ないですねぇ」っと納得してしまうタルノ。

って、えっ!?納得してしまうのかいなっ!


2人してお茶を飲みつつ寛ぎ始めたのだが、タルノが何気なくアルスラーナへと尋ねる。

「アルスラーナ様がダンジョンコアを扱えると言うことは、アルスラーナ様がダンジョンマスター代理でダンジョン管理されるんですよね?」

そうタルノが尋ねると、アルスラーナが人差し指を顎へ当てて少し考えつつ応える。


「それは駄目ね。

 だってぇ、此処のダンジョンマスターは子猫ちゃんなんですもの。

 あくまでも彼女主体でダンジョンをどうするかのかを考えないとね」

そう曰うのだが…


「へっ?でも子猫マスターとは会話できないですよ?」っとタルノが困ったように。

って、をい、そう言う問題か?子猫にダンジョン経営させようと試みることが無謀だと気付いてないのだろうか?


「そう、そこなこなのよぉ~」っと、胸の前で再び手を合わせつつ合意するアルスラーナ。

いや駄女神と駄天使ぃっ!本気で子猫にダンジョン経営させるつもりなのかっ!

っと、どうやら本気みたいだな…大丈夫なのだろうか?


そう思っていると駄女神がタルノへと告げる。

「だからタルノ!子猫との通訳をお願い」

そう告げてタルノへ拝むように手を合わせている。


「だからぁっ!先程も無理って言いましたよねっ、僕ぁっ!」

呆れたように告げる彼へアルスラーナが首を傾げ呟く。

「あれぇ~?そうだったかしらぁ~?」

いや、つい先程の話だった筈なのでが…マジで忘れてるのか?いや、本当に忘れているようだぞ、この駄女神!


「そう、なら仕方ないわねぇ、だったら通訳ができる人を呼んじゃいましょうね。

 ん~そうねぇ…猫だからぁ、そう!猫の獣人!猫人(びょうじん)を呼んじゃいましょう!

 猫人なら猫繋がりなんだから、きっと通訳もできるわぁ~

 そうしましょう♪」


自信満々に告げている彼女にタルノが慌てて告げる。

「ちっょ!アルスラーナ様!ちょっと待って!

 獣人は、あくまでも人種の1つだから…」


そうタルノが諌めるように告げている最中にも関わらず駄女神は気付きもせずに曰う訳で。


「私、アルスラーナが命じるわぁ。

 猫の獣人たる猫人よ、子猫マスターの通訳として召喚よぉ~」っと。


「あ、ああっ!」行き成りの事態に絶望したような声を上げるタルノ。

ダンジョン方針も定まらぬ内から身勝手な召喚に驚き慌て絶望したように目を見開いているな。

うん、苦労人、いや、苦労天使なタルノであった。


そしてアルスラーナの呼び掛けにダンジョンコアが応え発光し…何かが光より生み出されて行く。

いや、生み出すと言うよりは召喚っと言った方が正しいのであろうか?


本当にやっちまったよ、この駄女神!

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