ー 8 ー
「さて、いこっかー。」
やることもなくなったし防具ができるまでの間にフィールドに出ることにする。
目標は二つ。
一つ目は金策。なにかお金が必要があるわけでもないけどあるに越したことはないし。
二つ目は夜のフィールドでの狩り。
森の中はどう考えてもやばいけど、その外の草原エリアならいけるでしょう。っていう考え。
今は15時前だから、結構な長丁場になりそう。
気合い入れていこう!
「ふぃー...。」
森でのんびりとそこらにいる蜘蛛を狩ること数時間。
『レベルアップしました。ステータスを確認してください。』
これで4回目のレベルアップかな?
ステータスを開いたちょちょいと操作する。
ユタル LV17
職業:武闘家
体力:12(+3)
筋力:33(+3)
敏捷:33(+3)
器用:12
魔力:5
精神:12
残ステータスポイント:0
スキル:
【槍LV19】【ステップLV28】【身体強化LV12】【採取LV6】【悪路走破LV14】【格闘LV5】【狼の眼LV6】
残スキルポイント:12
うーん、いまいちレベルの上がりが遅いなー。蜘蛛もいっぺんに来るんじゃなきゃそんなに大変じゃないしね。
でも奥に行くのはやなんだよねー...。
スキルは普通に上がってるから我慢かな。
あ、【格闘】とはいい感じだね。
【格闘】のおかげでステップ突撃とか咄嗟のキックとかが随分簡単にできる。
【狼の眼】はー...うん、いまいち恩恵を感じられない。
正直今までとそんなに変わんない気がする...。
スキルレベルが上がってるってことは何かしら効果が出てるはずなんだけど...。
まぁ、うん、きっと何か恩恵があるはず!あって欲しい!
さて、そんなことは置いといてもう夕方、つまりそろそろ夜。
森から出て夜中の狩りといきましょう!
うーん、暗い。
星明かりだけだとこんなもんなんだねー。
でも、意外と見えるのが不思議。
地味に【狼の眼】の効果が出てるのかな。
でも狼って夜行性だっけ?
「「「ぐるるぅぅぅ...」」」
夜行性のようです、はい。
目の前でめっちゃ唸ってます、しかも3匹も。
「「「ぐらぁぁっ!」」」
一斉に飛びかかってくる狼。
でも、ちょっと早いけど犬と動きはそんなに変わんない。だから...
「《ステップ》、《ニードル》!」
右になるべく小さな《ステップ》、2匹をやり過ごして1匹にカウンターを打ち込む。
それで光と散る。
「まず1匹!」
「「ぐらぁぁっ!」」
怒りの雄叫びをあげながら左右に分かれて残りの2匹が突っ込んでくる。
「《ジャンプ》!」
その場でピョンっと大きくはね、突っ込んできた2匹の上をとって、
「《ランスチャージ》!」
このゲーム、大概ひどい。
空中だろうと突進スキルなら前に加速する。
私は重力に加えてさらなる加速で狼を地面に縫い付ける。
もっともこれで光に散るから残るのは突き刺さった槍だけだけど。
「次でラスト!《ステップ》!」
そのまま横にステップ、続けて《ニードル》で3体目を...
「って抜けない!?」
地面に突き刺さった槍が抜けない。
うっそぉ!?
「ぐらぁぁっ!!」
「げふっ!」
《ステップ》と地面に突き刺さった槍のせいで伸びきった腕にモロに狼の噛みつきを受けてHPの3割ほどを持ってかれる。
「《デュアルステップ》!」
槍から手を離してそのまま狼を加速で振りほどく。
どうにかそのまま噛みつき続けられるのは回避。
右腕がぁー...。
視界にちらつくのは『出血』と『部位重症:右腕』の状態異常。
『出血』のせいでHPはじわじわ減ってくし『部位重症』のおかげで右腕は動かない。
くっそう...。
「がぁぁぁ!!」
そこに飛び込んでくる狼。
ちょっとは休ませてよ!
「《ステップ》!」
タイミングを見計らってギリギリのタイミングで横へ、そして左腕を引き絞って
「《正拳突き》!」
【格闘】の初期アーツを横っ腹に叩き込む。結構筋力は高いんだ!痛いでしょ!
吹っ飛ぶ狼、そこに奥の手。
「《ステップ》!《前蹴り》!」
《ステップ》で距離を詰めて、落ち始める狼に合わせて【格闘】のもうひとつの初期アーツ、《前蹴り》を叩き込む。
「よしっ!勝ったぁぁぁ!」
光と散る狼。無事...ではないけど勝利!
頑張って左手でメニューを操作してポーションを飲み、ついでに試しに傷口にふりかけてみる。。
HPがちょっと回復して、状態異常が消えて、
「めっちゃしみるぅぅぅぅぅぅ!?!?!?」
あまりの刺激に地面を転がる。
やばいやばいこれめっちゃしみる!
「ぁ"ぁ"ぁ"...。」
うん、感想としては、戦闘中は絶対やらないほうがいい。
やったら回復はするけど回復しないよりひどいことになる気がする。
追記:初期ステに修正かけました。
ヒューマンの初期ステがオール10
武狼族のステも全部元の10%に変えました。
それに伴ってステの表記を全修正しました