ー 15 ー
今日2話目です、ちょっと注意。
あと今回長めです。
「あぁぁー...。」
やっぱじっとしてるのは性に合わないね。
ぐぐーっと伸びをする。
「なんかMP減ってるけどなにしてたの?ユタちゃん。」
「えっ?」
エスさんに聞かれて慌てて視界の隅のMPバーを確認すると確かに減ってる。
MP使うのかー。
魔力がない私大丈夫なのかな。
「えーっと、【気功】っていうスキルをとったんですけどその練習を。」
「【気功】...?聞いたことないスキルじゃの。」
「あぁ、掲示板でも見たことないな。」
「え?そうなんです?」
掲示板はろくに見ないからなんとも言えない。
なんとなくなんでも乗ってる万能攻略情報サイトみたいなイメージがあるけど。
「どんなスキルなの〜?」
「うーん、文字通りとしか言いようがないかなー。説明がすっごい不親切なスキルでもうぜんっぜんわかんない。」
「そう。まぁ、気長に頑張るといいわよ。」
エスさんからのフォローをありがたくいただく。
今度1人で暇なときに街で練習でもしよう。
「さて、じゃあそろそろ出ましょうか。ユタちゃんはMPなくても大丈夫でしょ?」
「うん。」
アーツにMPは使わないし、【気功】は使えないからなんの問題もない。
「じゃあ、次は攻略といきましょうか。森の奥に進むわよー。」
エスさんの号令で動き出すみんな。
ほんっとにシンさんは名前だけだなー、とか思いつつ私もついていくのでした。
攻略といっても特に大したこともなかった。
シンさんの【気配察知】と私の【狼の耳】で戦闘を極力避けながらクイちゃんと私で【採取】。
奥へ奥へと進んでいくとだんだん蜘蛛がいなくなって代わりに熊が出始める。
怖いわー...。
ただ、助かることにあんま索敵範囲が広くないのか【狼の眼】で遠目から見える程度の距離ならスルーできる。
あの豪腕はやばい。
特にボスとかでもないのにバルさんの盾が打ち負けてた。
私が食らったら1発で吹きとびかねない。
まぁ、動きがそんな早くないから私とシンさんでタコ殴りにして終わりなんだけどね。
蜘蛛より全然楽だし経験値効率いい気がする。
残りのみんなも無事転職できたし、私のレベルも上がったし調子いいね。
ちなみにシンさんは侍に転職するためにまだ転職しないみたいだけど。
エスさんは風魔法と土魔法をマックスにして新しく派生した雷魔法を覚えて『雷魔法師』に、クイちゃんは普通に『司祭』に、バルさんも普通に『盾戦士』になった。
さて、そんなこんなでノリに乗ってる私たちの目の前には今、
「グラァァァァァ!!」
次のステージに進むためのボスであろうどでかい熊、『マーダーベア』が立っている。
「みんな!とりあえず警戒!攻撃よりも回避を重視!何がくるかわからないわよ!」
森を歩いていると突然目の前に現れた広場、そしてその真ん中に立つマーダーベア。
回避不可能の戦闘に対して驚く私たちをエスさんが叱咤して動かす。
「《タウント》!《ウォーリアーハウル》!」
バルさんが早速挑発アーツを使う。
それに合わせて私とシンさんはそれぞれ左右に散って距離を詰める。
「《オールエンチャントスピード》〜。」
クイちゃんの全体敏捷バフが飛んでくる、ありがたい。
じゃあ、このまま一番槍はいただきましょう!
「《ステップ》!そいやぁぁっ!」
《ステップ》で飛び込んでそのまま槍を突き刺しにかかる。
まだバルさんがヘイトをそんなに稼いでないから変に急所を狙わずにまずは攻撃しやすそうな腹に一撃!
「硬っ!?」
刺さりが甘い!
何これ本当にただの毛皮!?
「《ステップ》!」
振られてきた丸太のような腕をアーツで後ろに避ける。
そしてその間に逆サイドから突っ込んできたシンさんがガラ空きの胴体に一撃をかます。
ナイスシンさん!
そしてシンさんも瞬時に離脱。
ヘイトはまだバルさんに残っているのかマーダーベアは再びバルさんに向かい直って腕を振るう。
森の中に大きな音が響く。
バルさんが力負けして後ろに軽く押し戻されて、HPも2割ほど減っている。
「《サンダーボール》!」
追撃を掛けようとする熊の頭にエスさんの魔法が直撃、一瞬ひるむマーダーベア。
そこに再びシンさんの追撃、そしてバルさんの挑発スキル。そして私は、
「《ジャンプ》《デュアルジャンプ》!」
【軽業】がLV10になった時に覚えたアーツ、《デュアルジャンプ》はいわゆる二段ジャンプ。
ぴょんぴょんと熊の真上をとる。
「《ランスチャージ》!」
空中で身をひねり、重力を乗っけた真上からの一撃を頭めがけてぶっ放す。
「ガァァァァ!?」
ヘイトがバルさんにあった以上そこまで気を取られてたわけでもない。
真上からの襲撃にマーダーベアは避けることもできず、でも槍は残念ながら狙いからわずかにずれて肩口に突き刺さる。
もうちょい私に腕があれば頭串刺しに出来たのに!
でも、HPバーは3割ほど削れたからよし。
槍は引っこ抜くのを諦めてそのまま《ステップ》で離脱。
「バルさんよろしく!」
「無茶するのぅ!」
着地先はバルさんの後ろ。
ヘイトは間違いなく私に向いてる。
でも、私に向かう攻撃はここにいれば、
「《盟友守る盾》!」
愛すべき盾職が防いでくれる。
《盟友守る盾》、ヘイトがトップの味方を守るときのダメージの軽減効果を持つアーツ。
「ありがとっ!」
「構わぬ、それよりさっさとあの熊を倒してくれ。長くは持たぬぞ。」
「りょーかい!」
視界の隅のパーティメンバーのHP・MPバーを確認。
クイちゃんのMP消費が結構ハイペース。
バルさんのとおり急がないと。
槍を放棄して少しだけ身軽になった体で駆ける。
横を抜けていくエスさんの魔法に若干ビビりつつ、腕を引き絞る。
「《ハイステップ》!」
【軽業】の初期アーツでステップより早く遠く動け、さらのその調整もある程度できる非常に便利なアーツ。
マーダーベアの腕をかいくぐり突進。懐に入り込んで、
「《正拳突き》!《ステップ》!」
速度そのままに拳を叩き込む。それから退避!
いきなり腹の前に腕を振ってくるけど遅い遅い!
私はすでに退避済みだぁ!
「《ジャンプ》《ステップ》《デュアルジャンプ》」
宙に跳ね、熊の肩に着地、槍を掴んでそのまま《ステップ》。引き抜いた槍を構えて空中で《デュアルジャンプ》。
マーダーベアの顔は既に目の前、引き絞った槍を...放つ!
「《スパイラルソニック》!!」
叩き込むのは今の所威力最高のアーツ。
【槍改】の初期アーツである単発技《スパイラルソニック》。
突き出した槍はマーダーベアの右目を突き破り、そのまま顔の奥へと沈み込む。
「やった!?」
「やってない!」
うぉぅ!?
エスさんの威力を落とした風魔法に体を吹っ飛ばされる。
「何油断してんの!」
「ごめんなさいー!」
顔に槍突き刺して目を貫いてもまだ生きてるとか生物やめてるね!
言ったってマーダーベアのHPバーはあとちょっと、もう一踏ん張りだね!
「そこはありがとうでしょっ!」
「はいありがとうございます!」
《デュアルジャンプ》で距離をとってエスさんに感謝。
そのままもう一度突撃。
手に槍はないけどまだ拳も足もある。問題なし!
「よしっ、さっさと戻ってこい!」
「アイアイサー!」
「がんばれ〜、《ハイエンチャントアタック》〜。」
クイちゃんの援護を受けて再度突撃。マーダーベアの攻撃を抑えるバルさんの隣を駆け抜けてマーダーベアに一気に接近する。
「とどめ...、いくよっ!」
「おう!やっちまえ!」
シンさんがアーツで一撃入れてから楽しそうに道を開ける。
槍はない。なら使うのは拳か脚。
アーツ?いくらあとちょっととはいえただのアーツ1発じゃ削りきれない。なら!
「バルさん!一回抑えて!」
「おぅ!」
相変わらずヘイトは私にある。
でも、そこはバルさんにどうにかしてもらうとする。
どうやって?知らない。
おぅと返事が来たんだからあとは向こうに任せる。
「《ステップ》」
相変わらず私は馬鹿の一つ覚えだなー、と思いつつ《ステップ》。
「《デュアルステップ》」
《デュアルステップ》でさらに加速。
真っ直ぐしか突き進めないのが私だけど、そこはまぁ、
「《スタンバッシュ》!」
ほぉら。バルさんの盾攻撃。
マーダーベアの動きが一瞬止まる。
「さんきゅー!」
「おぅ!やり逃したら説教だかんな!」
「大丈夫!《ジャンプ》!」
熊の前で跳ねる。
無手での最高火力は多分...これ!
跳ね上がったところで体を捻って...
「《デュアルジャンプ》!」
空中で、横に跳ねる。
さぁ、やろうか。
「《強化》!からのぉぉぉ!《膝蹴り》!」
顔面に直撃。
吹き飛ぶマーダーベアのHPバー。
そして反動でめちゃくちゃ削れる私のHPバー。
「よっしゃぁぁぁぁ!!」
勝ったぁぁぁ!
ストックがなくなって来週から更新が大変になる可能性が高いです。
なるべく1日1話ペースを頑張りますが2、3日、下手すれば1週間とか間が空くことになるかもしれませんが気長にお待ちいただけると幸いです。




