ー 13 ー
「うーん...。」
「どうしたの?ユタちゃん。」
蜘蛛相手に幾度目かのとどめを刺してると、つい漏れた唸り声をエスさんに拾われる。
「あっ、いやー。」
「なんかあるなら言ってくれ。新入りだからって気にしなくていいぞ。」
シンさんが緩い感じで勧めてくれるので遠慮なく言うことにする。
「ぬるくない...?」
5人パーティにしては狩り方がぬるい。
もっと連戦なり大量の相手を狙うなり格上の相手と戦うなりしていいはずだと思うんだけど。
「「「「.........。」」」」
沈黙。
あっちゃー、これはやらかしたかな。
「あ、別に悪くは」
「シン!アイアンハーツの鉄の誓いその2!」
突然エスさんが叫ぶ。何事!?
「常に最高の狩りを求めるべし!」
「バル!その3!」
「多少の無理なら押し通すべし!」
「クイちゃんその4!」
「世の中〜、やろうと思えば無理なんてない〜」
「全員その1!」
「「「「新入りには優しくして逃すことなかれ!」」」」
.........、ナ、ナニコレ。
「いやー、本当ならもっと段階を踏むところだけれども、ユタちゃんがそういうなら仕方ないわねー。」
「うむ、早速いつものペースに戻すぞい。」
「ふふ〜、ここからが本番〜。」
「よしっ!それじゃあ行くぞー!」
勝手にとんとん拍子で話が進んでみんな森の奥へと歩を進める。
まっ、待ってー!
「うっがぁぁぁー!!」
結論。さっきまでのはウォーミングアップとも呼べませんでした。
今は何をしてるかっていうと前回私が踏み入れた蜘蛛の大量ポップ地点で狩りまくってる。
アイアンハーツのみんなは中々の熱の持ち主でさっきまでは私を逃さないように段階を踏むつもりでやってたらしい。
そりゃ、初めからこれだったら引く人もいるよね。
私は前に経験もしてたし案外悪くないと思うけど。
ただね、いきなり何も言わずに走り出して着くなり採取して大量に蜘蛛を湧かすのはどうかと思うんだっ!
「《シールドバッシュ》!」
「《ダブルニードル》!」
「《ウィンドバースト》っ。」
「《ミドルヒール》〜。」
「《ダブルスラッシュ》!」
みんなからはアーツの声が飛び交う。
中心にエスさんとクイちゃんを置いて残りの3人で三角形を作って周りを刈り取っていくような感じ。
ひたすらに目の前の蜘蛛を突くべし突くべし。
被弾?回復してもらえるし。
多少は避けるけど抜かれるわけにはいかないし、基本は槍の穂先と柄の先を振り回して逸らすか蹴り落とす。
レベルがあがるあがる。
どうにも湧きが止まらないと思ったらクイちゃんが時々採取してリポップさせてるっぽい。
どんだけやる気なんだろ...。
結果、クイちゃんとエスさんのMPがきれるまででした。
いやね、もうキッツイ。
でも、レベルは相当上がった。
ユタル LV31
職業:武闘家(転職可能)
体力:12(+7)
筋力:39(+7)
敏捷:39(+7)
器用:12
魔力:5
精神:12
残ステータスポイント:16
スキル:
【槍LV30★】【軽業LV13】【身体強化LV30★】【採取LV6】【悪路走破LV36】【格闘LV30★】【狼の眼LV28】
残スキルポイント:75
途中でスキルいじる余裕がなかったのが勿体無くて仕方がない。
【槍】、【身体強化】、【格闘】の3つが上限入って多分スキル的な経験値を相当無駄にしてる...。
「みんなどんな感じ〜?」
「ちっ、ギリギリ転職に届かなかったわ。」
「俺もだな、だけど【剣】と【パリィ】が上限入ったな。進化できる。」
「なんでよっ、私まだ風魔法すらマックスにならないのにっ!」
エスさんにシめられるシンさん。可哀想に...。
「私は〜、【回復魔法】に【付与魔法】〜、【詠唱短縮】もマックス〜。」
「おぉ、良かったの。儂も【盾】に【パリィ】が進化可能だの。」
2人も嬉しそうな声を上げる。
それに反応してエスさんが反対に縋るように私に声をかけてくる。
「ね、ねぇ、ユタちゃんは?」
「ごめん、私も【槍】に【身体強化】、【格闘】がマックスになって、ついでに転職もできる。」
「うにゅわぁぁぁ!?!?」
エスさんが似合わない悲鳴をあげてるのは置いといて操作を進める。
これ、転職先がいいのかな、それともスキルの進化先がいいのかな。
「転職か....。スキル次第で、転職先が...変わるらしいから、...先にスキルの方処理したほうがいいぞ。」
「おぉ、ありがとう。シンさん。」
実にタイムリーな助言をありがとう。
エスさんにやられて地面に這いつくばって虫の息じゃなきゃかっこ良かったね。
追記:ちょっとわかりにくいと感想で指摘があってそうだな、と思って少しだけ最後のシンさんのセリフを直しました 内容に変わりはありません




