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素直な心、悩む心
シュンは飛び起きるように目を冷ました。
汗びっしょりで「ハァ、ハァ…」と、肩で呼吸をしている。
「…夢か…。」と少し安堵した様子だ。
シュンはそのまま風呂場に行き、シャワーを浴びた。
頭に水をかけながら、さっきの夢を思い出していた。
「あなたは何故走っているのですか?」
その言葉だけが、何度も何度も思い返される。
「……。」
シュンは、答えることができなかった。
シャワーを浴び終えると、学校の仕度を済ませ、家を後にした。
ケイスケは、ゆっくりと体を起こした。
「ハァ~、夢か…。」と、疲れた顔をしている。
「まさか、夢でもあいつと勝負するとはな。追い付けなかったけど…」と、ケイスケは苦笑いを浮かべていた。
「ん?…そういや~、なんか聞こえたような気が…。走るがどうとかって…。」
必死に考えて見たが、どうしても思いだせなかった。
「まぁ、いいか。」と諦め、布団から出た。
そして、顔を洗い、御飯を食べ、シャワーを浴び、学校へと向かっていった。