二人への問いと選択
シュンは暗闇の中にいた。
「ここは…あのときと同じ…。」
辺りを見回しても何も見えない。
シュンは急に恐怖を感じた。
そして、光を求めて暗闇の中を走り出した。
どんなに走っても、先は見えない…。
「ハァ、ハァ…」と、シュンの荒い息づかいだけが暗闇に響き渡る。
ふと前を見ると、誰かが走っていた。
それは、ケイスケだった。
「ケイスケ!」と安堵の表情で叫んだ。
しかし、ケイスケには届かない…
ケイスケは、そのままスピードを上げ、暗闇に消えていった。
「あなたは何故走っているのですか?」
暗闇で微かに声が響く。
「えっ…?」と答えると、シュンの足は止まった…。
ケイスケは暗闇にいた。
「ここは?…ん?!…見たことあるぞ…。確か…、授業中居眠りしたとき見た夢だっけ…。」
ケイスケは少し考えこんだ。
暗闇が広がり、何も見えない聞こえない中で、ケイスケは冷静さを保っていた。
「じっとしててもな~、とりあえずなんか探すか~。」と、走り出した。
走っても走っても何もない。
「ほんと何もないな~」と、少し諦めかけたとき、シュンの姿が微かに見えた。
「シュン!」と叫んだ。
しかし、シュンには聞こえていない。
シュンは、そのままスピードを上げ、暗闇に消えていった。
ケイスケは「俺の前を走るなんて、面白いじゃね~か!」と、闘争心むき出しで、スピードを上げた。
「あなたは何故走っているのですか?」
暗闇で微かに声が響く。
「んっ?!…誰?」とだけ答えると、スピードを下げることなく走り続けた…。