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読めない気持ち

シュンは普段の表情に戻っていた。


登校中、お腹が空いていることに気付き、コンビニへ。


昨日の夜から何も食べていない。


シュンは、ウイダインゼリーとパンを買い、コンビニを後にした。


袋から、ウイダインゼリーを取り出すと、蓋を開け飲み始めた。

そして、(今日はどうするか…。)と、朝練習の内容を考えながら、空を見上げていた。


内容が決まると、ちょうどウイダインゼリーも空になった。



シュンが部室に着くと、ケイスケの鞄が置いてあった。


「ん?…何でケイスケの鞄が?」と疑問に思い、辺りを見回したがケイスケの姿は見当たらない。


「…まぁ、いいか。」と、朝練を開始した。



シュンは、スローペースで走っていた。


足は上がらず、腰が下がっている。

そこには、いつも淡々と走るシュンの姿はなかった。


「ヤバイ…体が重い…。」と、苦悶の表情を浮かべている。


このままでは、午後の部活に支障を来たすため、早めに練習を切り上げた。


部室に戻ると、着替えを済ませ、先ほど買ってきたパンを食べ始める。


シュンが休んでいると、部室のドアが開く。


一瞬ビクッとなった。


「ん?…お~、シュンじゃね~か。」と、汗びっしょりのケイスケの姿が、そこにはあった。


「ケイスケか~!ビックリさせんなよ。」と、安堵の表情。


「悪いわるい。」と、謝るケイスケに、「どこにいたんだよ?」と質問した。


「ん?散歩だよ、散歩。」と、明らかに嘘を付くケイスケ。


「散歩でそんなに汗は欠かないだろ!」と突っ込んだが、「まぁ、そうだな。」と流されてしまった。


これ以上の言及は無理と判断し、部室を出ようとしたその時、不意にあの言葉が浮かんで来た。


「あなたは何故走っているのですか?」


(ケイスケはどうなんだろう…何で走ってるのかな…)と気になり、「ケイス…」と名前を呼び掛けたが、途中で止めた。


ケイスケはそういうのを語ってはくれない。

いつも適当な理由を言って、上手く逃げていた。


「ん?何か言ったか?」と、聞き返されたので「…いや何でもない。」と答え、部室を後にした。

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