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Summer visit  作者: スカフィ
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039⇒わた『し』とあかりとナオキ。

「だって…おかしかったから…」


あかりは言葉をかみ締めるように言いながら、わたしを見た。


「なにが?」


「…だって…あの日…あの駅で見てたの…あたしだけじゃない…」


「………!?」


「ナオキもいたの…ううん、あれは見まちがいじゃないわ!」


あかりは自分に言いきかせるように言った。


「どういう事!?−だって…ナオキくん…わたしが話した時なにも言わなかったよ?」


「ナツキにずっと言ってたよね?ナオキはダメだって…

好きになっちゃ駄目だって…あたしずっと言ってたよね?」


あかり目からは涙が溢れていた。


「なんで…?なんでよ…意味わからない…」


「あたし…あの事件の後…すぐにナオキが現れた事が納得行かなくて…しばらく様子見てたわ…」


「…うん。」


「でも…ナオキが悪い人には見えなかった。それどころかとてもイイ人で…」


「…うん…だからあかりも好きになったんでしょ?」


いつの間にかわたしの目からも涙が出ていた。


「そうね…結果的には…でも、それが間違いだったのよ!

この事件に大きくナオキが絡んでるわ!」


「だから…どこにナオキくんが…」


「彼のお父さんの職業…知ってるわよね?」


「催眠術を使う人でしょ?」


「…おそらくは…あの幽霊は本物じゃない。」


「まさか!」


「だって…今、あたしに見えてナツキに見えないなんて…おかしいじゃない?」


「もしかして、心に隙がある人にしか見えないかも…」


「…やだ…近づいて来る…ごめん、あたし悪いけど帰る!」


「え…!?」


あかりはドアを開け、そのまま出て行った。



「ちょっと…あかり!」




ザアアァァァァァァァッー



バタン。



「………。」



ゆっくりと後ろを振り返ったが、やはり誰もいなかった。


確かにあかりだけにしか見えてなかったみたいだ。


「…まさか…ナオキくんが…?」



わたしにはあまりにも信じられない事だ。



「でも…何故…」



わたしはソファに座り、テレビをつけた。



画面にはナオキくんの父親が催眠術について話していた。



「…催眠…」



わたしはずっとテレビを眺めていた。



ザアアァァァァァァァァァァァーッ





「あかり…」


「ナ・ナオキ?」


「お前、今 ナツキちゃんの家から出たよな?」


「そうよ…!それがどうしたの!?」


「何を言った?ナツキちゃんに…」


「な・何って?…子供の事よ…」


「それだけじゃないだろ…?」


ザアアァァァァァァァァァァァーッ


「それだけよ…他に何があるってのよ…」


「………。」


ザアアァァァァァァァァァァァーッ



「…じゃ…あたし行くから!」


「待てよ…」


「…! …なに?」



ドンッ…!



「きゃっ!」



ゴロッ ゴロッ


 ゴロッ


   ゴロッ


  ゴロッ


ゴロッ



…ドサッ…


「………。」



ザアアァァァァァァァァァァァーッ





━翌日━


わたしは朝から起きて出掛ける準備をしていた。


ナオキくんの事の前に奈津子さんの事を調べる為に。


「えっと…確か…」


わたしは机の中にある無数の紙キレ一枚一枚を隅から隅まで目を通していた。


「あった。」


わたしはその紙キレを鞄にいれ、玄関に向かった。


その時わたしの携帯が鳴った。


「もしもし…」


「ナツキ?あかりだけど今、あたし病院にいるの。」


「え?どうして?」

「ナツキの家の近くにある公園の階段から落ちちゃって…

一応、捻挫だけで済んだけど、まだ検査が残ってて…」


「そんな事より赤ちゃんは?」


「うん。大丈夫…ナツキ……ううん…いい…またかける…」


「…あ」


ガチャッ…



ツー… ツー…



ツー… ツー…



「…何か言いたそうだったな…とにかくっわたしも行かなきゃ」


こうして、わたしは紙キレにある住所をあてに家を出た。


コン コン


「………。」


わたしは生前に奈津子さんの住んでいたアパートに来ていた。


コン コン


先程から部屋のドアをノックしているのだが、出て来ない。


今は別の人が住んでいるはずなのだが、留守なのだろうか?


「せっかく来たのに…」


引き揚げようとした、その時ドアが開いた。


「−ごめん、寝てたんだ。誰?」


若い男の人が出て来た。

多分、大学生くらいだろう。


「あ・すいません。あのこちらに前に山田奈津子さんって方が住んでたんですが…」


「ああ…山田さんね…俺の前に住んでたよ。自殺したって噂だけど?」


「わたし知り合いなんですけど…部屋見てみたいんですけど…いいですか?」


「いいけど…君いくつ?高校生だろ?」


「いいえ!違います!」


「…なんで嘘つくの?それより仮にも一人暮らしの男の部屋に入るんだよ。恐くない?」


「恐くないです。」


「…ふ〜ん…」


男の人はつまらなそうにわたしを見てた。


「ま・いいや。上がって…」


「はい…失礼します。」


わたしはその人の後に付いて行く様に部屋に入った。


変な急展開ですな?

ホラーから離れていってます(笑)


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