003⇒わたしを掴む『手』。
ザアアアアアアーッ…
いつの間にか雨降ってたんだ?
…あ〜あ、何か疲れちゃった…。色んな事あったしな…。早目に寝ようかな?
ばふっ…。
わたしはベッドに倒れ込む。
ざあああぁぁぁぁーっ
…早く…忘れなきゃ…………。
ざあああぁぁぁぁぁーっ
…ん…?
何?
…なんか聞こえる…
…え?
…何だろ?
どこ?
どこからだろ?
わたしは部屋全体に神経を集中させる。
ざああああぁぁぁぁーっ
…下…?
下からだ…
わたしは床に耳をあてた。
………ぅぅぅ〜
−え!?…こえ?…。
うぅぅぅっ…
…母さんの声かな?
うぅぅ〜…い…たい
母さん?ちょっと下に行ってみよう…
ドタドタドタ。
「母さん大丈夫?」
わたしは母のいつ居間へ駆け出して聞いた。
だが、母はお茶を飲みながらわたしを見ていた。
「…ん?何がよ?」
「あれ?さっき痛いって言わなかった?」
「…言ってないわよ…変な子ね…」
「あっれー?さっき声が聞こえたのよ…下から…」
「母さんには何にも聞こえないわよ…。何かのまちがいじゃないのー?」
「…そうなのかな?…何ともないならいいけど…じゃあ、寝るね…」
「おやすみ…」
ざあああぁぁぁぁぁー
…ばたん…
何だったんだろ…?
もうー!今日の私は変だよ…早くねよ。
……………。
ザアァァァァァーッ
はっ…!
何か気配を感じる…
周りを目で確認しても誰もいない…わたしは寝たままの体勢だった…。
え?…水が…はっ……!窓が開いてる…!
な、なんで…?
ザアァァァァァーッ
ズ…ズズ…
な、何よ…何の音よ!
…ズズズズ…
うぅぅっ…
…カラダが…動かない…なんで…なんでよ…
ザアアアァァァァァーッ
ぐぐっ〜
…何かがわたしの寝ているベッドのシーツを引っ張っている…。
そう…わたしの真下に誰かがいる…
「………!」
…でもわたしはカラダが動かないから逃げる事が出来ない。
はあ…はぁ…
だ、誰か助けて…
…ぐぐっー…
「ウアゥゥゥゥ…」
…やだ…さっきの声だ…
……!
「うぅぅ〜…よくも……よくも…うぅ」
「だっ…誰なの?あなたは誰なのよ!」
「あた…しは…ナ…ツコ…よ…」
「…だ…れ?…」
わたしはベッドの下にいる人を見ようと首を横にしたが、
頭の一部しか見えず、長い髪の女性だって事はわかった…
「…さっきあんたに突き落とされた…」
…え……!?
驚きと同時に私の真横に女性の顔があった。
「ひぃっ…!」
女はいきなりわたしの腕をつかんで強くひっぱった…
…ズズズーッ!
いやあぁぁぁっ!
叫びたくても声が出ない…
わたしはそのまま引っ張られ床に落ちた…。
ドサッ…。
「きやあぁぁぁぁ」
「どうしたの?ナツキー!?」
「……え?」
気がつくと朝になっていた…。
そしてわたしはベッドの下で寝ていた…。
「夢…?」
「全くいつまでたっても寝相悪いんだから…ほらぁ…今日も学校なんだろ?」
…いつもの朝だった…
ぜひ、感想下さいま『死』