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Summer visit  作者: スカフィ
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029⇒閉じ込める『心』

「あの…あかりから聞いてると思うんだけど、

冬休みに俺の親父が使ってる別荘にみんなで行こうかな?って思ってるんだけど…」


「あ・聞いた。でも琴美は行かないみたい。わたしは…」


「え?行こうよー!あ・でも、俺とあかりの間に入るの嫌だよね?」


「…嫌ではないけど…」


わたしは『嫌』だったけど言えるはずもない。


「ナツキちゃんはいないの?」


「−え?」


「想ってる人。」


「…あ…いないよ…!いるワケないじゃない…!」


「いたらWデートとかしてみたいな〜なんて…」


「それは当分有り得ない話だけど…」


ナオキくんの口から聞きたくない言葉。


「なんで?君は自分が思ってるよりも可愛いよ。もっと自信持たなきゃ…」


「……ありがと。」


「とにかく…明後日までに返事くれないかな?返事は携帯にでも…」


「うん、わかった。よく考えとく。」


わたしは静かに受話器を置いた。



  …ドクッドクッ…



心臓の音が少し聞こえる。


わたしは明らかに動揺した。


ナオキくんの言葉に。


ナオキくんの声に。


一気に体中のチカラが抜けたわたしは座り込んだ。


「…やっぱり…わたしは直樹くんを…?」


そして愕然とした。


まさか…最初に好きになった人が友達の恋人なんて。


しかも親友の。


その日の夜、わたしはベランダに立って月を眺めていた。


そして直樹くんへの気持ちをよく考えてみる。


さっきは思わず動揺したが、

最初に好きになった人が直樹くんみたいな人で良かった…と今は思う。


もちろん、それはわたしだけの秘密。


あかりにも琴美にもそして直樹くんにも知られてはいけない気持ち。


この先わたしは皆とうまくやって行かなきゃいけないから。


それよりも今は琴美の事が気がかりだ。


わたしも共犯者なのかはっきりさせたいし…。


わたしはベッドに入り、明日 琴美の家へ行ってみよう…


そう考えながら眠りに就いた。




わたしは夢を見た。



それはまさしくあの日の出来事だ。


わたしが奈津子さんを突き落とした日。


奈津子さんはそのまま下に落ち、わたしの視界から消える。


そしてわたしは確認する。


電車が停まった線路を。


そしてわたしは叫ぶ。


きゃああああぁぁ…!


電車でぐちやぐちゃになったのは奈津子さんではなく、村山先生だった。


すると隣から泣き声が聞こえる。


振り向くと村山先生の奥さんと子供が泣いていた。


奥さんは目を真っ赤にして、わたしのトコへ歩み寄る。



「………!」



何かを言っている…かなり恐い顔して叫んでいるが声が聞こえない。


聞こえるのは子供の泣き声だけ。


「殺したのはナツキだよ!」


琴美が突然現れた。


「違う!わたしじゃないわ!」


わたしは分かってもらおうと叫んだ。


「ううん。あんただよ!」


「違う!違う!」


「ナツキよ!」


いきなり琴美の額にヒビが出来、血が流れ出した。


「…琴美?」


その血はだんだん量が増え、琴美の額に裂け目が出来た。


「うふふふ…」


「…琴美…?」


裂け目は更に大きくなり、中から血まみれの奈津子の顔が現れた。



「あんたが殺したのよ…!」



「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜っ」



そこでわたしは目が覚めた。


体中汗をかいて服がビショビショに濡れて気持ち悪い。


「ハァ…ハァ…」


わたしはベットから出て洗面所に向かい、顔を洗った。


凍ってしまうくらい水は冷たかったが、わたしには丁度いいくらいだった。



「はぁ…はぁ…」



顔を上げるとわたしの後ろに奈津子さんが立っていた。

そして鏡ごしにわたし達は目が合った。

だが、彼女はすぐに消えた。


わたしは着替え、琴美の家へ向かった。

わたしが関わってるにしろ、やはり警察へ自首しなければいけないと思ったからだ。

何とか説得しなければ…と…。


琴美の家に着き、わたしはチャイムを押そうとした瞬間、ドアが開いた。


「待ってたわ」


琴美はまるでわたしが来る事を知ってたようだ。


付き合いが長いせいで分かったのだろうか?


わたしは不思議に思っていた。



「警部!被害者の村山の遺体が発見されました!」


「−場所は?」


「中央公園にある倉庫です。」


「よしっ!行ってみよう…!」





「はい。」


琴美はわたしにあったかいココアを差し出した。

わたしはそれを一口飲み干すと、琴美はゆっくりと微笑んだ。


「来るんじゃないかと思ったんだ…。そろそろね…」


「………。」


「ナツキの言おうとしてる事わかるよ。自首しようって言いに来たんでしょ?」


「うん。ねえ!早く警察に行こうよ!どうせバレるのも時間の問題だし…」


「……そうね…。でも明日まで待ってくれない?明日まででいいから…」


「なんで明日までなの?」


「色々しておきたいじゃない?どうせ明日には警察に自首して私の人生は終わりだし…」


「終わりじゃないよ!ちゃんとやり直せばいちから始められるわ!」


琴美はまた微笑む。


「とにかく私に今日一日時間を頂戴…お願い…!」


わたしは、これ以上言っても無駄だと判断し折れることにした。


「…わかった。」


わたしは少しココアを残し、家をあとにした。


琴美が自首してくれるなら今日ぐらいは自由にしてあげようと考えたのだ。


しかし、それがまちがいだった。



「警部…これが…。」


「ん?プリクラじゃないか…。……これは…被害者と…誰だ?」


「わかりません。今、調べてみます。」


「ナツキではないとすると…。こいつが…犯人の可能性が高い…」


うう…かなり寝ぼけながら作成したよ…。

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