017⇒訪『問』者2
ピンポーン
インターホンが鳴った…。
誰が来たのだろうか…?
キリキリと締める腕、わたしは声が出ない。
ピンポーン
「だずげでぇぇ〜…」
それでも声を出してみたが届くはずがない…。
苦しそうなわたしを見ながら笑う…先生…
「はは…君も…かわいそうな子だよ…」
ぐぐっ…!
「はっ…はぅぅ…」
「…はははは…」
ドンドンドン!
今度はドアを叩いてる…。
ドンドンドン!
「…うぐぐっ!」
わたしには力も意識も無くなってきた…。
ドンドンドン!
「…うう…」
「…う…」
…………。
…………。
…う…うう…
はっ…!
「…あれっ!?」
わたしはゆっくりと身体を起こした。
「ごほっ!ごほっ!」
「…大丈夫?」
「…ごほっ!…う…ん…」
隣に誰かがいたのでわたしはゆっくりとよく見た。
「…え!?あ!ナオキくんっ…?」
「…よお…」
そこにいたのはナオキくんだった…。
わたしが呆然としていると微笑んだ。
「…あかりちゃんと来たんだよ。
今は買い物行ってるんだけどね。
なんか嫌な予感してさ…来て良かったよ…」
「あ…そうなんだ…わたし……」
「…うん…そこに倒れてたんだ…」
「…いや、あの…他に人はいなかったの?」
「…ううん…誰かいたの…?」
「…あ…」
わたしは立ち上がるとごまかすように
「……いいの…わたしのカン違いかも…」
わたしは何故か先生がいた事を隠した…。
だげどナオキくんはわたしの態度に気付いてか、突っ込んで来た…。
「…ねぇ…なんで一人で全部抱えようとすんの?
俺達、友達だろ?大体、君はあかりちゃん達にも何も話してないじゃないか…」
「……だって巻き込みたくないもの…」
「君の気持ちわからないワケじゃないけど…何だかほっとけないよ…」
「…ごめん…でも…今は…気持ちの整理がついたらみんな話すから…」
少し変な空気になる頃、ドアが開く音と同時に声がした。
「ナツキ!」
買い物から戻ったあかりがわたしを心配そうに見ていた。
「もう!アンタは心配ばかりかけて!良かったぁ大丈夫だったんだね…」
あかりは少し涙ぐみながらホッとした表情を浮かべている…。
「ごめん…」
「ううん…。大丈夫ならいいの…
ねえ、買い物たくさんしてきたの!ご飯一緒に食べない?」
「…うん。」
こうしてわたし達は夜まで色々話しながら時間だけが過ぎて行った…。
「…じゃあ…落ち着いたらでいいから学校に来てよね?…あと何かあったら連絡してよ!」
「…うん…色々ありがとね。」
「…じゃあ…」
「ありがとう。ナオキくん…」
そして、わたし達は別れた…。
「良かった…ナツキが倒れてたの見た時はどうなるかと思ったけど…」
「そうだね。ナツキちゃんは恋人とか好きな人とかいないのかなぁ…」
「…それがいないのよ。意外と男の子からモテるんだけどね。」
「…だよなー。カワイイもん。」
「ねー…って、もちろんあたしの方がカワイイでしょ!?」
「ああ!もちろんさ」
二人は軽くキスをして暗闇に消えた…。
二人が帰った後、
わたしはゆっくり風呂に入り、そして決心した…。
…彼らに立ち向かってみる事にした。
このままでは何も変わらない。
わたしなりに対策をとらなくては…。
まずその為には力を持ってる人が必要だ…。
わたしは、先日会った女性から貰った名刺を見て電話をかけた…。
携帯から電話すると、ワンコールで出てくれた。
「もしもし…」
「あの…わたし先日あなたに道でみてもらった者なんですけど…」
「…よく掛けてくれたわね。待ってたの…。
今ね…あなたに憑いてる女性なのか知らないけど『な』の文字が見えるの…」
「『な』ですか?」
まだまだ話は続きます。
どうかお付き合いお願いします!