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Summer visit  作者: スカフィ
13/50

012⇒おじさん『と』せんせい

「おはよ!ナツキ!」


あかりはとてつもなく元気だった…。


「おはよ。良かったわね〜!このォ!」


わたしは、あかりの肩を軽く叩く。


「うふふ…。正直、直樹くんはナツキの事を気に入ってると思ってたから…

OKするなんて思わなかった…」


「えぇ〜!?なんでぇ?」


「いや…何となく…」


「もう…!心配症なんだから…」


今さら、あかりと知り合う前から知ってたなんて言えなくなってしまった…。

ま、言う必要もないか…。


「いいナァ…。私も恋愛したいよ。」


琴美が羨ましそうに言っていた…。


「夏休みも、もう終わるし…。

絵ばっかり描いてたしね。味気ないっていうか…」


「なに言ってんのよ!あんた達まだ若いんだから!」


あかりが笑いながら言っていた。


そして、その日の午後。

わたしはいつもの駅に向かって帰ろうとしたら、直樹くんとバッタリ会った。


「今、帰り?」


「うん…。そっちは今からデートなんでしょ?あかりから聞いたわよ。」


「はは…。ちょってテレくさいや。」


直樹くんは少し照れたように頭をポリポリかいた。


「口は悪いけど、あかりはいい子だから大切にしてあげてね。」


「ああ…わかってるよ…。それより君も、気をつけろよ。」


「…うん。でも最近、あの人が何を訴えてるのかわからない。

わたしを怨んでるのなら、もっとはっきりすればいいのに…。」


「こらこら、何を言ってるの。仮にも狙われてるのは君なんだから…。」


「そうだけど…。あ!電車が来る時間だ!じゃあね〜!」


「…ああ。」


わたしは急いで駅に向かった…。



「おじょうちゃん…」


聞き覚えのある声にわたしはドキッとした。


「無事で何よりだ。」


その声の主は以前、駅でわたしにチカンした人だった…。


「あれ以来、あの女は現れるのか?」


「…あ…」


「…わかってる。言いたくないのは…ワシだってこの町を離れてた…。

だがな、あの女に連れ戻された…。

…いいか!早く逃げるか、ちゃんとした霊能者に見てもらいなさい。

おじさんも今からある霊能者の所へ行ってくる…。

そうだ!君にも渡しておこう。近いうちに行ってみなさい。」


そう言っておじさんは私に地図を渡し、そのまま逃げるように去った。


「霊能者ねぇ…」


そして電車の音が聞こえ、


「自殺だぁ−!!」


と聞こえたのはそれから数秒後の事だった……。




自殺…!?


まっ、まさか…!


わたしは声のするホームへ走り出した。


………!!


「…うそ…」


現場はすごい生臭い臭いがした。

そこには明らかにさっきのおじさんのちぎれた衣類があり、頭の部分が半分残っていた…。


いやああぁぁぁぁぁーっ!


わたしは心の中で叫んだ…。


そして必死にその場から逃げた…。


タッタッタッ…


「はっ…はっ…」


わたしの中ですごい恐怖感が押し寄せた。


「はっー…はっー…」


あの人が…あの女の人がやったのかしら?


だとしたら…


次に殺されるのはわたし?


「はっ…はっ…」


わたしはふと自分の手に握られてるモノを見た…。


さっきのおじさんが渡してくれた地図…。

わたしはしばらくそれを見つめていた…。


「ただいま…」


わたしは夢中で家に帰って来た。

玄関まで迎えに来る母の姿が見えない。


「…? 母さんただいま…」


わたしが居間へ向かうと見知らぬ男の人が立っていた。


「おかえり。え〜とナツキちゃんだったかな?」


「あ…はい。」


「わたしはこうゆう者だが…」


そういって渡したのは名刺だった。


その名刺には−…


「精神科の…先生…ですか?」


「はい、そうです。早速ですが、

最近あなたのお母さんの精神が不安定だと感じる時ありますか?」


「……あ・あります…!やっぱり母はおかしいんでしょうか?」


「…ん〜。実はお母さん自ら電話頂きまして、

頭がおかしくなりそう…っておっしゃるんですよ。」


「…はあ…」


「娘さんから見てどんな風におかしいか説明してもらいたいんですよ…」


先生はタバコに火をつけながら質問してきた…。


「…一番はその顔のアザなんです。日増しに増えてる気がして…。

誰かが来てる気配はないし…」


わたしは一瞬、あの女の人がやったのでは?

…と思ったのだが、説明しづらいのでいわなかった…。


「今はお母さんは薬で自分の部屋で寝ております。

あの様子だと、ここんトコ寝てなかったんじゃありませんか?」


「…かも知れません。それで母は…?」


「もうしばらく様子見てみます。今日はこの辺で失礼します…」


「…あ!どうも…」


そういって精神科の先生は帰った…。


わたしは母の部屋へ向かった。そして音を立てぬようゆっくりとドアを開けた…。


ガチャ…


母はぐっすりと眠っていた…。


一体、母に何があったのだろうか…?


精神的に不安定になるくらいだからやっぱり…


あの女の人が出るんだ…。


それしか考えられない。そして何らかの危害を加えてるんだ。アザができるくらいだもの…。


わたしはそっとドアを閉め自分の部屋に入る。



もう…全て始まっている…。いや…終わってるとでも言おうか?


とにかくあの女の人の復讐劇が起きているのだ…。


わたしは夕方に会ったあのおじさんの事をふと思い出し、また恐くなった…。


「…はあ…はあ…誰か助けて…!」


そう強く思っても誰も助けてくれない…。


とにかくわたしは落ち着こうと必死に自分を押さえてた…。


カチャッ…


窓から音がした…。


カタタタ…


「…誰?」


カタカタカタ


カーテンの向こうで窓がカタカタ鳴ってる…。


風にしては少し力強い…。

わたしは窓に近づきカーテンを開けた…。


そこにいたものは……。



あのおじさんだった…!



「きゃっ…!」



体中から血を流し口をゆっくりパクパクさせながら窓を叩いてる…。


いや、開けようとしてるのか…?

わたしはすぐにカーテンを閉めベットに潜り込んだ…。


カタッ…カタタッ!


おじさんの叩く音は更に強くなる!


「……ひいっ…!!」


その時、携帯の着信音がなった。



まだまだ続きます!

感想よろしく〜!

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